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- ID:
- 43006
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1027
- 見出し:
- 日本の木材がクルマを変える!? 自然由来の自動車パーツ、ただいま開発中
- 新聞名:
- webCG
- 元UR(アドレス):
- https://www.webcg.net/articles/-/39705
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
光岡自動車は2018年10月23日、特別仕様の「ビュート」をお披露目した。
“特別”な理由は、装着される部品にあり。
なんと、自然由来の新素材を活用したものなのだ。
これは内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」のプロジェクトのひとつで、国立研究開発法人である「産業技術総合研究所」、
国立研究開発法人
森林研究・整備機構の「森林総合研究所」、「宮城化成」らの研究グループが推進する官民一体の取り組みだ。
その成果となる自動車部品を、光岡自動車の協力によりテスト車となるビュートに装着し、実証実験を行うという。
早速、実車を確認してみたが、見た目は通常のビュートそのもの。
特別仕立ての
部品は、外装についてはボンネットのみで、内装では前後ドアのパネル、それに付随するアームレストとスピーカーボックスと、全部で4種類のパーツがある。
ボンネットは塗装され、ドアパネルのほとんどはレザー調の生地で覆われているため、見た目には変わりはないのである。
重要なのは、これらの部品が、
ある木材の成分から生まれた新材料「改質リグニン」を使用したGFRP(ガラス繊維強化複合材)であるということだ。
その木材の正体は、なんと春先に多くの人を花粉で悩ませる杉の木だという。
一体、新材料の改質リグニンとは何なのか?まず、リグニンについて説明したい。
木材は、主にセルロース、ヘミセル
ロース、リグニンの3つの成分で構成されている。
木材から生まれる代表的な製品といえば紙があるが、その原材料となる紙パルプ製造の副産物として、リグニン系の素材を製造できるという。
リグニン系の素材は、強固で耐熱性に優れるなど、素材として高いポテンシャルを持つ一方で、元となるリグニンは樹木
の種類や生育環境などで性質が異なってしまうため、安定品質が求められる工業材料化は困難とされてきた。
しかしながら、木材の全体の約3割がリグニンであるため、なんとか活用できないかと長年研究が進められてきたわけだ。
そこで注目されたのが杉の木。
日本固有の針葉樹で、1種1族しか存在しない
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