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- ID:
- 42632
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0915
- 見出し:
- 木のスピーカー「優しい音」 九工大ベンチャー、大川家具と連携し開発
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元UR(アドレス):
- https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/449847/
- 写真:
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- 記事
-
木の温かみのある音色にうっとり-。
音響機器メーカー「キットヒット」(福岡県福津市)が、大川家具産地と連携して新たなスピーカーを開発した。
「東木工」(同県大川市)製の長方形の合板を振動させて、音を「平面波」で伝える仕組み。
一般のスピーカーに比べて、空間全体に音が均一に届くそうだ。
この「
ウッドボードスピーカー」を、福岡市・天神のベスト電器福岡本店で、9月末まで無料試聴できる。
一般のスピーカーの音は「球面波」で伝わる。
スピーカーの正面(スイートスポット)は、いい音で聴けるが、それ以外の場所は放射状に音が拡散して音質が下がるという。
これに対し「ウッドボードスピーカー」は、前後に付けた合板(高さ1メートル、幅20センチ、厚さ1・3センチ)が生みだす「平面波」で、部屋全体に音を均質に伝えることが可能になった。
キットヒットの石原政道社長は「どこで聴いても迫力ある高音質を楽しめる」と自信を見せる。
木目のあるノッポなデザインは、インテリアとしても映える。
朱色、アイボリーなど5色から選べる。
合板をスピーカーの振動板として使うには課題があった。
高音域を出すには、低音域より振動数を増やす必要がある。
最軽量のカーボン製に比べると、木製は重くて硬く、十分振動させることができなかった。
県の補助事業を活用して東木工と連携したキットヒットは、持ち前の技術力で課題に挑んだ。
13年前に九州工業大(北九州市)発のベンチャー企業として生まれた同社は、音響愛好家に人気のスーパーツイーター(超高域用スピーカー)の開発で知られる。
半導体を専門とする技術者が、困難とされた高音域の出力を再現できる「高音質化電子回路」の開発に成功。
この回路を使うことによって、合板と補助スピーカーで高音域を出せるようになり、3年で製品化にこぎ着けた。
試聴した人の反応は「長く聴いても疲れない」「優しい音がする」と上々だ。
「炭素を染みこませたカーボン製と違い、自然素材の木の効果もあるのではないか」と石原社長。
「特に弦楽器は音を忠実に再現していると好評で、ぜひ体感してほしい」。
価格は2台1セットで72万円(税別)。
レストランなどの店舗に
置けば、インテリアとしてもおしゃれな“逸品”になりそうだ
体験はベスト電器福岡本店5階オーディオ試聴室で正午~午後6時。
CDを持参して聴くことができる。
23日午後1時から約2時間、石原社長が説明する。
同店=092(752)0001
■経験と技術、故郷に還元
日立製作所の部長などを経て「キットヒット」を設立した石原政道社長(70)は、故郷・福岡県宗像市の隣の福津市に事務所を構える。
「木製スピーカー」開発の経緯や、古里への思いを聞いた
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