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- ID:
- 41998
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0705
- 見出し:
- 木材の強度・耐熱性・耐久性:木材の基礎知識3
- 新聞名:
- Tech Note
- 元UR(アドレス):
- https://www.ipros.jp/technote/basic-wood3/
- 写真:
- 【図・表 】
- 記事
-
前回は木材の特徴として、加工特性やエコマテリアルの側面に注目しました。
今回は、木材の強度や断熱性、耐久性に関する特徴を解説します。
いずれも材料として非常に重要な特性なので、より良い木材の利用につながる知識を身に付けましょう。
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木材には、軽くて強いという特徴があります。
見た目や触れた感じから、木材はコンクリートや鉄に比べて強度が劣ると思われるかもしれません。
実際、材料は重くなるほど強度が高くなる傾向があるので、同じ大きさならコンクリートや鉄は木材よりも高い強度を有します。
ところが同じ重さで比べると、木材の強
度はコンクリートや鉄に勝ります。
材料の強度(引張強度、圧縮強度、曲げ強度)を材料の密度や比重で割った値のことを、比強度といいます。
比強度が大きいほど、軽いわりに強度の高い材料といえます。
図1は、木材、コンクリート、鉄について、引張・圧縮・曲げの比強度を比べたものです。
これを見ると一
目瞭然で、いずれの強度においても、木材はコンクリートや鉄を大きく上回ります
図1:建築材料の比強度
図1:建築材料の比強度(林業試験場プロジェクト・チーム、木造住宅は地震に弱いか、編集:小原二郎、上村武、大野勝彦、神山幸弘、山井良三郎、木と日本の住まい、財団法人日本住宅・木材技術センター、1984年、P.119を基に作成)
軽くて強いという木材の特徴は、材料として見た時に、とても優れた特性です。
木材を建築物に使えば、重さを抑え、荷重の負担を小さくできます。
図2は、鉄筋コンクリートの柱の上に、木造の屋根を載せて造った図書館の内観です。
この屋根を仮に鉄骨で造ったとしたら、相当な重さになり、それを支える柱や
基礎にもかなりの強度が必要となります。
その点、木造なら重さを軽減できるので支持部材にかかる負担が減り、その分コストも抑えられます
図2:天井の構造に木材を使用した図書館
図2:天井の構造に木材を使用した図書館
また第1回では、木材が輸送資材としても多用されていることを紹介しました。
これもまさに、軽くて強い木材の特性が生かされた使い方です。
物を運ぶ時には、重さが増すほど運搬エネルギーやコストが高くなるので、運搬物を支える資材は、できるだけ軽くしたいものです。
しかし軽くても、素材がもろかったり強
度が弱ければ、運搬物を支える役目を果たせません。
その点、軽くて強い木材は、まさに打ってつけです。
敷材や梱包に使えば、重さはそれほど増さずに、運搬物をしっかりと支えることができます。
しかも表面が柔らかいので、運搬物を傷つける心配も少なくて済みます。
物流という重要な経済活動において、
木材は大きな役割を担っているのです
2. 木材の断熱性と耐火性
木材は断熱性が高く、熱が伝わりにくい(熱伝導率が低い)性質があります。
よく、木材は温かみがあるといわれます。
それは見た目のイメージだけでなく、触った時にこちらの体温がそれほど奪われないので、実際に温かく感じます。
柄の部分に木を使ったフライパンは、木材の断熱性能を生かした好例です
本体が熱くなっても、柄の木材が熱を遮断するので、素手でつかむことができます
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