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- ID:
- 41727
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0605
- 見出し:
- 料理の必需品「まな板」、木製とプラスチック製はどちらが衛生的? 安全に使うポ イントは?
- 新聞名:
- ニコニコニュース
- 元UR(アドレス):
- http://news.nicovideo.jp/watch/nw3572027
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- 記事
-
毎日の料理に欠かせない「まな板」。
最近は、さまざまな素材や形状、価格のものが販売されていますが、中でも多いのが「木製」と「プラスチック製」です。
生ものを切るまな板のこと、衛生面やお手入れ方法を気にする人は多いはずですが、衛生面から見るとどちらのまな板を選ぶべきなのでしょうか。
オトナ
ンサー編集部では、衛生微生物研究センター主席研究員の李新一さんに聞きました。
濡れていると菌が増えやすい
Q.まな板に菌が繁殖するメカニズムを教えてください
李さん「細菌は酸素・水・温度の条件がそろうと増殖します。
菌の種類によりますが、最適な条件がそろえば10~30分程度で増殖(分裂)し、倍々に増えていきます。
菌自体を肉眼で確認することはできませんが、『臭いがする』『色が濁る』などの変化は菌が増えた証拠です
まな板の場合、食材や調理者に付いている細菌がまな板に付着するため、使用後は特に菌が多い状態となります。
使用後、濡れたままにしておくと条件がそろい、菌が増えやすい状態となります。
ただし、水分が乾くと菌はほとんど死滅します」
Q.木製のまな板とプラスチックのまな板で違いはありますか
李さん「木製の方が細菌が繁殖しやすいと思われがちですが、実は木製もプラスチック製も、過去の試験結果からは細菌の繁殖しやすさに大きな変化はないことがわかっています
木製は使用するにつれて表面が黒ずんでくることがありますが、調べてみるとこれはカビではなく、木自体の変色や着色によるケースが多いのです。
一方、プラスチック製には『抗菌加工』が施されているものがありますが、抗菌だからといって菌が全く増えないわけではありません
材質より大切なのが『使用後はこまめに洗い、風通しのよいところでしっかり乾燥させる』こと。
これを徹底できれば、木製もプラスチック製も衛生面でのリスクはほとんど変わらないと言えます」
Q.除菌のしやすさはどうでしょうか
李さん「除菌方法には塩素漂白、天日干し、熱湯をかけるなどがあります。
まな板の消毒というと、熱湯消毒がよく知られていますが、除菌力が特に優れているというわけではなく、それぞれ適切な方法で行えばほぼ同等です
塩素漂白は優れた除菌方法の一つですが、木製には塩素系洗剤が使えません。
また、木製に熱湯をかけると変形する可能性もあります。
その意味では、プラスチック製の方がお手入れ方法の選択肢が多く、熱湯消毒も手軽に行えるため、扱いやすいと言えるかもしれません
とはいえ、木製のまな板にも、手触りのよさや食材を切る時の趣のある音などの魅力があります。
『こまめに洗い、しっかり乾燥させる』というお手入れを丁寧に行うことができる方であれば、衛生面は気にせず、好みの材質を選んでよいと思います」
安全に使用するために気をつけるべきことは?
Q.古いまな板は、新品に比べて細菌が多いのでしょうか
李さん「過去の試験結果を見ると、年季の入ったまな板でも細菌の数に大きな差はありません。
しかし、やはり長く使って古くなったものは、衛生面においては新品に劣ることがあります。
材質にかかわらず、表面の傷が増えたり、汚れが蓄積されたりするとその分細菌も繁殖しやすくなるからです。
抗菌加工のも
のでも、その効果は少しずつ落ちていきます。
買い替え時の明確な目安はありませんが、使い込んで傷が増えたり、木製なら反りが出たり黒ずみが目立ってきたりすると、食材を扱う際に気になるものです。
そうしたタイミングで新調するとよいのではないでしょうか」
Q.より安全に使用するためのポイントを教えてください
李さん「扱う食材によって、まな板を使い分けることをお勧めします。
生肉や生魚には食中毒の原因になる細菌が付着していることが多いため、生肉を切った後のまな板を洗わずに、生で食べる野菜を扱うのは危険です。
可能であれば、肉、魚、それ以外で使い分けるのがベストです。
1枚のまな板を使う場合
、肉や魚など生で食べないものを切り、洗ってから生で食べる食材を切るか、もしくは先に生で食べる食材を切るようにしてください」
Q.梅雨~夏の時期に、特に気を付けるべきことはありますか
李さん「梅雨のシーズンにやるべき特別なお手入れはありませんが、菌が増えやすくなることは事実です。
室内が30~35度になると細菌が最も繁殖しやすくなります。
また、湿度が高くなると、水気を含んだまな板が乾燥しづらい状態に。
完全に乾いていないまな板を使って食材を切ったからといって、すぐに菌に
感染し、食中毒などの症状を引き起こすわけではありませんが、日頃から『使用後はすぐに洗ってしっかり乾かす』ことを心掛けるとリスクを減らすことができます」
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