v11.0
- ID:
- 41205
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0404
- 見出し:
- iPhone用 銘木端材スピーカー開発
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- https://mainichi.jp/articles/20180404/k00/00e/040/263000c
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
岡山県井原市東江原町で家具や雑貨などのアンティークの工房兼ショールーム「マスター・オブ・サルベージ」を構える渡辺倫宏(みちひろ)さん(56)が、銘木の端材を利用してスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」用の「アコースティックスピーカー」を製作、販売している。
電源が不要な共鳴構造を独自開
発。
環境に優しく温かみのある豊かな音質を広く楽しんでもらおうと、インターネットを通じた資金集め(クラウドファンディング)で量産化を目指している。
【石川勝己】
<【写真で見る】iPhone X>
<「X」を「テン」と読むのはなぜ?>
<iPhone Xでアップルが示した「スマホの未来」>
渡辺さんは茨城県土浦市のクラフト用品販売会社に長年勤務し、同社のアンティーク事業部でアンティーク家具の修理・販売の仕事に携わり、バイヤーとしても欧州を中心に仕入れ活動をした。
営業管理や店舗運営などの仕事を経て、6年前に妻子と岡山に転居し独立した。
店名の「サルベージ」には、海難救助のほかに「使われなくなった物を救い出す」という意味もある。
店内には椅子や机などの家具のほか、ランプや時計、装飾雑貨などさまざまな素材を再利用したアンティーク商品が並ぶ。
渡辺さんは「ヨーロッパでは古い建材や家具を大切にする文化が定着しており、古
い素材を収集してさまざまなアイデアで活用する人たちを『サルベージャー』と呼びます。
そのままでは見捨てられてしまいそうな材料や、役目を終えた古い素材を救済し、再生させることが生涯の仕事と考えています」と説明する。
普及率の高いアイフォーンの周辺商品に商機を見込み、アコースティックスピーカーを発案。
構造や材質を見極めるまで試行錯誤を重ね、高級家具に使用されるオークやマホガニーの端材を組み合わせ、特にクラシックやジャズなどの音楽と相性のよいものができた。
アイフォーンを横置きできるスタンド型
のため、インターネットテレビや映画、音楽のライブ動画の視聴にも利用できる。
量産化するには、加工に手間のかかる複雑な構造のパーツを外注し、自前の工房の工作機械を充実させる必要がある。
このため外注費と設備投資の資金を購入型クラウドファンディング「MOTTAINAIもっと」(https://mottainai-
motto.jp/)で集めることにした。
同ファンディングは、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさんが世界共通語として提唱した「MOTTAINAI」の考えをもとに創設され、地域活性化に通じる活動を支援している。
渡辺さんが購入してもらうのは、アコースティックスピーカー(1万2000円)やオーク材のパン皿(3000円)など。
問い合わせはマスター・オブ・サルベージ(050・5580・4381)
fff: