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- ID:
- 40922
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0304
- 見出し:
- 中高層建築は木材をこう使う
- 新聞名:
- 日経テクノロジーオンライン
- 元UR(アドレス):
- http://tech.nikkeibp.co.jp/kn/atcl/bldcolumn/14/698129/020600061/
- 写真:
- -
- 記事
-
東京都目黒区のホテル雅叙園東京において、「木材活用フォーラム2017」が2017年11月に開催された。
同フォーラムで開かれた3つのパネルディスカッションの概要を紹介する。
セッションの2番目のテーマは、「中高層建築は木材をこう使う」。
日経BP総研社会インフラ研究所上席研究員の小原隆の司会で
議論を行った。
(撮影:渡辺 慎一郎)
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パネリスト(五十音順)
三菱地所設計 構造設計部 兼 デジタルデザイン室 エンジニア 海老澤渉氏
竹中工務店 木造・木質建築推進本部 副部長 小林道和氏
日本CLT協会 業務推進部 部長 中島洋氏
三菱地所 住宅業務企画部 兼 新事業創造部CLTユニット 主事 柳瀬拓也氏
モデレーター
日経BP総研 社会インフラ研究所 上席研究員 小原隆
小原:木材の利用拡大に向けて期待されるのが、中高層木造の普及です。
現在、設計中の仙台市のプロジェクトを題材に、中高層木造の設計のポイントを読み解いていきたいと思います。
まず、事業者の三菱地所さんから順に、プロジェクトの概要や設計を説明してください
柳瀬:当社は現在、仙台市泉区で10階建ての賃貸集合住宅の計画に取り組んでいます。
林野庁の補助事業に採択され、設計を進めている段階です。
建物は耐火建築物で、主たる構造を鉄骨(S)造で組み、床と壁にCLT(直交集成板)を用います
海老澤:従来、10階建てクラスの賃貸集合住宅といえば鉄筋コンクリート(RC)造でした。
今回は、工期やコストを見極めながら検討した結果、S造とCLT床の混構造にしました。
CLT床は、既存の大臣認定の仕様に、新たに開発した部材を組み合わせて、2時間の耐火性能を確保しています。
また、竹中工務店
が2時間耐火で大臣認定を取得する耐火集成材「燃エンウッド」の柱も、初めて採用する予定です
小原:木造を取り入れるメリットはどこにあると考えていますか?
柳瀬:設計中なので確証はありませんが、工期短縮になると考えています。
RC造の場合、各階のコンクリートを下から順に打設していきますが、この構造は鉄骨を組み上げたらCLT床を敷設するだけなので、工期短縮になるはずです。
投資する事業者にとっては、初期投資を早く回収することが重要なので、
工期短縮は大きな意味を持ちます
小原:CLT床を使った範囲はどのように決めたのですか?
海老澤:集合住宅の場合、キッチンや浴室、バルコニーなど、床を貫通する配管類が少なくありません。
しかし、耐火被覆したCLT床に穴を開けると、防火上の弱点になりかねません。
そのため今回はそうした箇所でCLTを使うのを避けました。
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