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- ID:
- 37439
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0131
- 見出し:
- 耐火木材 普及させ森林資源活用を
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/304952
- 写真:
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- 記事
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火災に強い集成材「耐火木材」が近年、次々に開発されている。
防火地域に新築する建物は、火災に強い耐火建築物にしなければならない。
従来も木造で耐火建築物を造ることは可能だったが、木材の周囲を石こうボードなどで覆う必要があり、完成後は木が見えなかった。
これに対し、耐火木材を使えば「木の見える木造建築」が可能だ。
国産木材の活用策としての期待も大きい。
さらなる性能向上とコストダウンで普及を進めたい
現在、注目されているのは「燃え止まり型」といわれる木材だ。
内部の芯の部分から外側にかけて層を重ねた構造で、木材表面の層が燃えて炭化しても芯の部分は燃えない。
利用者が避難するまで建築物の倒壊を防ぐのが特徴だ。
柱を例に取れば、「芯材」と呼ばれ建物の荷重を支える木材部▽その
外側の「燃え止まり層」と呼ばれる耐火材料部▽さらにその外側の「燃えしろ層(化粧材)」と呼ばれる木材表面-の3層構造が多い。
燃え止まり層を不燃材料にしたり、内部に難燃薬剤を入れたりして耐火性能を高めている。
火災が1時間続いても燃え止まる1時間耐火構造のほか、2時間耐火構造の製品も登場している。
これら耐火木材の多くがスギやカラマツなどの国産木材を加工して使用しているのも特徴で、森林資源の有効活用や国内林業の活性化の面からも注目したい
日本の森林は、戦後に植林した樹木が活用期を迎える一方、木材自給率は33%にとどまる。
国は2025年までに自給率を50%以上にする目標を掲げており、10年には低層公共建築物については原則木造にする「公共建築物等木材利用促進法」も施行された。
耐火木材開発の底流には促進法を機
に、公共建築に限らず木造建築の普及が進むとの観測があるようだ
まだ新技術であるため、課題は鉄筋コンクリートや鉄骨に比べて製造コストが高いことだ。
地域の林産資源を積極活用するためにも量産化にめどをつけ、火災に強い木造建築物を広めていきたい
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