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- ID:
- 39749
- 年:
- 2017
- 月日:
- 1001
- 見出し:
- <東北の道しるべ>松食い虫被害の木でギター製作
- 新聞名:
- 河北新報
- 元UR(アドレス):
- http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201710/20171001_33004.html
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- 【写真】
- 記事
-
遠野市在住のギター職人小田島尚人さん(37)が、松食い虫の被害に遭ったアカマツを使ったギター製作に取り組んでいる。
これまで「きずもの」とみられていた木材を有効利用し、ギターの材料としての岩手県産材の良さをアピールするのが狙いだ。
「価格が低迷する木材に新たな価値を加え、森林と林業を
守りたい」と意気込む
小田島さんが手掛ける「アーチトップギター」は胴体表面の膨らみが特徴。
オーダーメードで1本30万円から販売している。
製作に2~3カ月かかり、納品まで5年待ちの状況という
北上市出身で元々木工が好きだった小田島さんは、米国での修業を経て2006年2月、北海道和寒町に工房を構えた。
エゾマツに目を付けて製作したギターは、奏でる音の良さが評判になり、後に続く職人も現れるようになった
小田島さんは「ギターを作れるのは、長い歴史の中で森と木を守ってきてくれた人たちのおかげ。
エゾマツの利用拡大で少しでも利益を生み、林業の活性化に貢献したいとの思いがあった」と語る
14年9月には父親が住む遠野市へ移住。
松食い虫被害の深刻さを知り、今度はアカマツに挑み始めた。
材質が硬く、しなりが弱いという難点は、板を極限まで薄く削り、和紙を貼って補強するなどの工夫で克服できると見込んでいる
ギター製作は海外産「ローズウッド」が主要な材料だが今年1月、ワシントン条約で輸出入の規制対象に追加された。
メーカーは代替木を探している
スギやケヤキでも試作している小田島さんは「国内外のメーカーに県産材を売り込むチャンスだ。
そのきっかけとなれるようなギターを作り上げたい」と意気込む。
県産材の新たな需要を掘り起こそうと、ギター職人の試行錯誤が続く
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