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- ID:
- 39092
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0719
- 見出し:
- 「価値あるモノづくり」への挑戦から生まれた世界に4脚の椅子
- 新聞名:
- Forbes JAPAN
- 元UR(アドレス):
- https://forbesjapan.com/articles/detail/16991
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
不思議な浮遊感があるアームチェア「ソラリス」。
その横には天板が浮いているように見えるテーブルも展示。
蟻組みという伝統的な手法を使っている。
多くのデザイン・インテリア関係者が集まるミラノサローネは、新たな才能を世界へ発信する格好の場所である。
「JAPAN DESIGN WEEK in MILANO 2017」は、東京や日本のクリエイティブを紹介するイベントであり、ミラノにおけるデザインの聖地、ミラノ・トリエンナーレ・デザイン美術館にて開催された。
日本から世界へ。
をキーワードに、デザインや技術をアピールするこの場所に、初めて参加したのが「tasca4D」というプロジェクト。
これは20年後も残る“価値のあるモノづくり”を支援するというもので、今年発表したのは「ソラリス」という、木とアクリルを融合させた椅子である。
「スクエアなフォルムで構成しているので、いかにも硬そうに見えますよね。
しかし49個の木のキューブで構成された座面が沈み込むので、実は座り心地がよいのです。
私が考案したデザインとコンセプトを形にしてくれたのは、日本初の家具モデラーである宮本茂紀さんです」とデザイナーの安田喬は語る。
独創的なデザインもコンセプトも、強度や製造方法に無理があれば具現化できない。
そこで実現を可能にするための技術や構造を考案するのが、家具モデラーの仕事なのだ
(左)硬そうに見えるが、座面をぐっと押すと沈み込み、座り心地に優れる。
(右)透明度は高いが、接合部分が見えず、細部まで美しい
しかも座面にはめ込んだ木材もユニーク。
ブラジリアンローズや黒檀などの希少な材料だけでなく、パリのシャンゼリゼ通りに生えていたプラタナスや屋久杉など、滅多に手に入らない世界中の木を使用した。
「いうなれば、世界に座っているのです」という安田の言葉が胸に響く
なお、希少な木材を49種も揃えることは不可能なので、椅子は4脚しか作ることはできない。
最高の技術で最高のモノを作るという話は珍しくはないが、そこにエモーショナルなストーリーが加わると俄然興味が湧いてくる。
会場を訪れたデザイン関係者たちも、スタッフに促されると椅子に座り、そして予想外の座り
心地と美しい仕上げに驚いていた
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