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    ID:
    38382
    年:
    2017
    月日:
    0505
    見出し:
    <きたかんこの一品 伝統工芸、匠の技> 鹿沼組子(鹿沼市)
    新聞名:
    東京新聞
    元UR(アドレス):
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201705/CK2017050502000145.html
    写真:
    -
    記事
    「コンコンコン」。
    金づちで木をたたく音が響く。
    かぐわしい木の香りが漂う。
    鹿沼市仁神堂(にがみどう)町の「鹿沼組子(くみこ)」を専門に製造する吉原木芸の工場。
    社長の吉原幸二さん(69)が部品を組むと、見る見るうちに格子模様ができ上がる  鹿沼組子は、柔らかく加工しやすい木曽ヒノキなどの木材を薄く割り、幾何学模様に組み付けて作る。
    部材として障子や欄間などの木製建具を飾る  工程は、基となる棒材を板状に割るところから始まる。
    厚さは作る模様に応じて二・四ミリ~六ミリ。
    薄く割った木片に、組み合わせるための溝を機械で刻む。
    できあがった部品を手作業で組み付け、模様を仕上げていく  溝の間隔や角度にわずかでも誤差があれば、組み合わせられない。
    溝を刻む場所に印を付ける作業があり、簡単な模様でも一年、複雑な柄なら十数年の経験が必要という  「かつては材料をカンナで削り、溝はノコギリとノミで刻んだ。
    今は機械で楽になった」と職人歴五十年の吉原さん。
    建具職人でも、それぞれの道具を使いこなせる熟練の技がなければ、精緻な組子は作れなかった。
    それができる職人だけが「名人」と呼ばれた  吉原さんは基本となる模様や色の異なる材料を駆使して富士山やクジャクを表現したり、花器として使う曲面のある組子を仕上げたりしてきた。
    「これで終わりということがなく、奥が深い。
    どんな柄ができるかと、今も頭に描いている」と話す  鹿沼建具商工組合によると、建物の洋風化などから和風建具の需要は昭和四十年代をピークに減少し、鹿沼組子の注文も少なくなった。
    現在、組子を手掛けるのは組合加盟の三十九社のうち三社しかない。
    理事長の白石修務さん(58)は「今は欄間で飾る二間続きの和室がある新築は珍しい」と苦笑 いする  一方、美術館やホテル、レストランなどで、室内を装飾する木製建具の需要は堅調だ。
    白石さんは「外国人観光客にアピールするため、和のモチーフを取り入れる店舗も増えている」と明るい兆しを感じ取る  後継者不足に悩む伝統工芸は少なくないが、吉原さんの息子三人はそろって跡を継ぎ、同じ工場で作業している。
    長男の秀美(ひでみ)さん(48)は「何もないところから組み上げ、仕上げるのは達成感がある。
    (宇都宮市で採掘される)大谷石などと組み合わせたり、海外にも目を向けたりしていきたい」と展 望を語った。
     (小川直人) <組子作り体験> 鹿沼市麻苧(あさう)町1556の1の木のふるさと伝統工芸館でコースターが作れる。
    溝が刻まれた24個の小さな木の部品を組み上げる。
    正しい角度で部品を合わせると「スッ」「パチン」とかすかな音がして気持ち良い。
    くぎなどを使わない鹿沼組子の特長が良く分かる。
    材料費1200円 fff:

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