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- ID:
- 37954
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0320
- 見出し:
- 水害避難用、木製の舟いずこ 京都、このままでは消滅も
- 新聞名:
- 京都新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170320000130
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
水害時に明治から昭和の中ごろまで使われていた避難用木製ボートの保存・活用を求める声が、京都市内の農家などから出ている。
河川沿いの集落で広く普及していたが、徐々に姿を消して今ではほとんど見掛けなくなった。
当時の船大工の技術もちりばめられ、伝統技術を知る資料がこのままでは消え
かねない
避難用ボートは長さが10メートル前後の木製で、当時の有力農家などが所有。
自宅倉庫の軒下などに置き、水害時の住民避難や家財の運搬に使っていたという。
京都市南区の上鳥羽奈須野で農業を営む村田治夫さん(77)宅にも、明治初期につくられたとみられる1隻が残っている。
上鳥羽は鴨川、桂川、西高瀬川の3河川に囲まれ、昭和中ごろまで大雨や台風の度に浸水被害に悩まされていた。
妻の冨久子さん(74)は「1959(昭和34)年の伊勢湾台風でボートに乗り母や姉と避難した。
消防や警察も手が回らず、住民の避難のため朝から晩までボートは出っぱなしだった」と振り返
る。
村田さんによると、地域では近隣農家と上鳥羽小にそれぞれ1隻残るだけで、時々地域の子どもに見せて、水害の怖さを教えることはあるが、「このままではやがて消えてしまう」といい、保管・活用で何かいい方法がないか悩んでいる。
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