v11.0
- ID:
-
37166
- 年:
- 2016
- 月日:
- 1223
- 見出し:
- 多摩産材で倉庫建て替え 工学院大が八王子キャンパスで10年計画
- 新聞名:
- 東京新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201612/CK2016122302000147.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
工学院大学(新宿区)は、八王子市のキャンパス内に点在し、老朽化した倉庫を、十年かけて多摩産材の小屋に建て替える「K×K(ケイケイ)プロジェクト」を始めた。
建築学部の学生らが木造建築のノウハウを学びつつ、林業の現場体験もできるように、十一月に複数の企業と提携。
将来、設計などの仕
事に地元産材を生かす人材育成を目指す。
(村松権主麿)
一九六三年開設の八王子キャンパスでは、部活動などで使うプレハブ倉庫の老朽化が進んでいる。
大学が建て替えを検討する中で、古民家保存などを専門とする後藤治教授(56)がプロジェクトを提案。
その狙いを「大学では木造建築を学ぶ機会がほとんどなく、設計や組み立てを経験するのに小屋
は適度な大きさ。
輸入材に押される林業の現状も知ってほしい」と説明する
名称の「K×K」は、工学院大、小屋、木、間伐材に共通するローマ字表記の頭文字「K」からつくった。
後藤教授の研究室と、建築デザインの研究室に所属する四年生、大学院生のほか、希望する建築学部の学生ら計三十二人が参加してスタート。
毎年一、二棟を建て替える計画という
構想段階から、同大出身の関谷真一さん(59)が代表を務め、木を生かした建物を手掛ける「結(ゆい)設計室」(同市)が協力し、学生のアイデアを取り入れて設計する。
多摩産材の調達と森林の現場体験では、森林保全などに取り組む林業会社「東京チェンソーズ」(檜原村)に支援を要請した
賛同した東京チェンソーズの青木亮輔社長(40)は「将来、設計を担う学生が、東京の木に親しみ、仕事に生かしてくれたら」と期待する。
今年三月には、東京チェンソーズが行う伐採や製材会社の作業現場を学生らが見学。
十一月二十二日に大学と東京チェンソーズ、結設計室が協定を結び、プロジェク
トは本格始動した
建て替えの第一弾は、硬式野球部の倉庫。
学生らが出したアイデアを基に設計し、来年春に建築確認の申請をして七月に着工する予定。
社寺建築などを手掛ける市内の「吉匠(よししょう)建築工藝(こうげい)」の指導で木材加工や組み立ても経験し、九月の完成を目指す
後藤教授の研究室に所属する修士課程二年の八文字(やつもんじ)雅昭さん(24)は「つくる経験は将来の仕事や研究などに役立つ。
長く使われ、キャンパスの顔になるようなものを残したい」と話す。
建て替えにあたり、研究室が山形県新庄市で調査した、地域の消防団が倉庫として使う昭和初期の小屋
を参考にするという
fff: