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    ID:
    37149
    年:
    2016
    月日:
    1221
    見出し:
    海洋性細菌由来の酵素が木材成分から機能性化学品を生産
    新聞名:
    日経テクノロジーオンライン
    元UR(アドレス):
    http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122005562/?rt=nocnt
    写真:
    -
    記事
     海洋研究開発機構は2016年12月20日、京都大学、防衛大学校、埼玉工業大学らと共同で、海洋から分離した細菌が持つ酵素を組み合わせて利用することで、木材から分離した天然リグニンからバイオプラスチックや医薬・化粧品などの機能性化学品を生産する方法を見出したと発表した(ニュースリリー ス)。
    酵素や微生物などの生体触媒の機能を化学産業に活用する異分野融合新技術(ホワイトバイオテクノロジー)に新しい展開をもたらすと期待される。  ほとんどの地上植物の主要成分の1つであるリグニンは、その存在量はセルロースに次ぐ2番目に位置する。
    また、リグニンは植物に物理的強度を与えるほか、外敵からの生物学的攻撃を防ぐ難分解性の物質として重要な役割を果たしている。
    その基本構造は、ナフサなどの石油成分にも類似していること から、化石資源に代わる化学品原料として期待されている。  研究グループは、これまでに駿河湾に沈んだ木片から分離した海洋性細菌ノボスフィンゴビウムMBES04株の遺伝子から作成した組み換え酵素を組み合わせて、リグニンを模して合成した低分子化合物(リグニンモデル化合物)を酵素切断できることを示した。
    今回、MBES04株由来の5つの酵素を組み合わ せて利用した一連の反応を用いて、天然リグニンを原料として特定のフェニルプロパノンモノマーを生産することに成功した。  リグニンの内部構造は多様で複雑なため、リグニンを過激な条件で分解して得られる物質は複雑な混合物になることが多く、高機能な化学品原料としての活用が遅れていた。
    今回の研究で行った温和な酵素反応では、針葉樹(スギ)から単離したリグニンを原料とした場合は1種類(GHP:グアヤシルヒドロキ シプロパノン)、広葉樹(ユーカリ)の場合は2種類(GHPとSHP:シリンギルヒドロキシプロパノン)のフェニルプロパノンモノマーを選択的に得ることができた。  また、得られたGHPに対してシンプルな有機化学反応を行い、新規なビスフェノール類、ビニルモノマーとその重合物、工業原料として有用なアルコール類など、さまざまな誘導体が得られることを示した。
    この誘導体は、新たなバイオプラスチック、例えばポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどの原料、 医薬品や機能性食品原料として活用されることが期待される。  研究グループは今後、リグニン変化酵素の反応メカニズム解明と実用性の向上を目指した研究を進めていく。
    海底堆積物に生息する微生物の多くは、地球表層の生態系では分解されずに残った有機物をなんらかの形で効率的に利用する優れた代謝機能を持つと考えられる。
    多様な海洋環境に生息す る微生物が持つ代謝機能の理解を深め、その知見を基盤とするバイオマス活用技術開発を進めることで、持続可能な社会の構築へ向けた新たなイノベーションの創出を目指す  今回の研究の一部は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)、京都大学生存圏ミッション研究、JSPS科研費JP15K00649の一環として行われた。
    研究成果は、ドイツの科学誌「ChemSusChem」電子版に2016年12月16日付で掲載された fff:

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