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- ID:
- 36725
- 年:
- 2016
- 月日:
- 1027
- 見出し:
- 国総研/CLT混構造の中高層建築物実現へ/総プロで17年度から5カ年研究
- 新聞名:
- 日刊建設工業新聞社
- 元UR(アドレス):
- http://www.decn.co.jp/?p=78395
- 写真:
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- 記事
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国総研/CLT混構造の中高層建築物実現へ/総プロで17年度から5カ年研究 [2016年10月28日1面]
国土技術政策総合研究所(国総研)は、17年度から5カ年でCLT(直交集成板)とRC造やS造を組み合わせた中高層混構造建築物の実現に向けた技術開発を進める。
CLT構造の建築物は今春に建築基準法に基づく告示で一般化され、3階建て以下は防火被覆なしで適用が可能となった。
これを他の
構造と組み合わせることで、適用範囲を拡大。
木材の利用を一層推進しながら、従来の木造では難しかった意匠性の高い建築物の実現などに役立てる
「新しい木質材料等を活用した混構造建築物の設計・施工技術の開発」をテーマにした総合技術開発プロジェクト(総プロ)として実施する。
CLTなどの木質系大型パネルを用いた木造と、RC造、S造など他の構造種別を組み合わせた建築物を実現。
CLTと集成材やツーバイフォー(2×4)工法といった他
の木質構法との混構造も検討する予定だ
1990年代にCLTが開発された欧州では、9階建ての中高層共同住宅や、中・大規模の商業施設、公共施設、一般住宅などさまざまな建築物が建てられている
今回の総プロは、告示で一般化されたCLTの利用の幅を一段と広げていくのが目的で、木材の利用推進による地方振興や環境問題対応にも役立てる狙いがある
技術開発では、木造、RC造、S造の部材は従来の設計法・解析法を用いながら、異種構造間の接合部で破壊を起こさない構造を採用。
床をCLTとする場合でもおおむね3層おきにRCの剛床を入れる。
中高層建築物に求められる耐火性能については、柱や梁をRC造にしたり、RC造の壁と床で囲まれた範
囲に木材を利用したりすることで、火災を一定の区画で抑えられるようにする
震動台実験などを行いながら、構造計算モデルを開発するほか、耐火実験によって延焼防止要素の耐火性能を検証する。
これらを通じて構造計算法や防耐火設計法を構築。
施工実験などで品質管理技術の構築も目指す
技術開発は5カ年計画で進めるが、国総研は研究開発の成果を3年目ぐらいから外部に発表するなどして実現を目指す考えだ。
RCの非構造壁をCLTに置き換えて構造壁として活用できれば、大地震時に変形しても損傷を受けにくくなり、継続使用が見込めるとしている
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