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ID:
36715
年:
2016
月日:
1027
見出し:
国産家具を世界へ!:1】日本だけの“ストーリー”をデザインする
新聞名:
HANJO HANJO
元UR(アドレス):
http://hanjohanjo.jp/article/2016/10/27/6645.html
写真:
【写真】
記事
ホーム › 海外進出 › コラム › 記事 【国産家具を世界へ!:1】日本だけの“ストーリー”をデザインする 画像【国産家具を世界へ!:1】日本だけの“ストーリー”をデザインする海外進出 2016.10.27(Thu) 8:33 「tosai LUX[トーザイ ラックス]」シリーズよりダイニングテーブル。
テーブル脚は嵯峨野の竹林をイメージした 「tosai LUX[トーザイ ラックス]」シリーズよりダイニングテーブル。
テーブル脚は嵯峨野の竹林をイメージした 「tosai LUX[トーザイ ラックス]」シリーズよりサイドボード。
校倉造を思わせる直交的なデザインが特徴 「tosai LUX[トーザイ ラックス]」シリーズよりサイドボード。
校倉造を思わせる直交的なデザインが特徴 四分割した天板がスライドする、スライドテーブル「バリンジャー」 四分割した天板がスライドする、スライドテーブル「バリンジャー」 「HIROSHIMA」をデザインした深澤直人氏が、カンディハウスとともに生み出した新LUXコレクション「KAMUY[カムイ]」 「HIROSHIMA」をデザインした深澤直人氏が、カンディハウスとともに生み出した新LUXコレクション「KAMUY[カムイ]」 カンディハウス 取締役 マーケティング本部 本部長 染谷哲義氏 カンディハウス 取締役 マーケティング本部 本部長 染谷哲義氏 国産家具を世界へ! 特別編集 【国産家具を世界へ!:2】インバウンドを世界市場につなげる。 編集部にメッセージを送る 【記事のポイント】 ▼日本にしかないストーリーをデザインとして製品に落とし込む ▼装飾からカタログまでブース全体でストーリー性を演出することが、展示会でしかできない強力な体験を生む ▼日本発のコンテンポラリーなデザイナーズ家具が、ミニマルな潮流の中で世界に受け入れられつつある。 ■斜陽の木製家具にデザインで戦う。 07年には1兆円を超えていた出荷額が、14年には約8510億円まで減少。
これは、日本家具産業振興会が発表している木製家具の統計データだ。
一方で、木製家具の輸入額は14年で約2623億円と、10年から5年連続で増加傾向にある。
その中でも、圧倒的な存在感を示しているのが、14年の出荷額にし て1210億円の木製家具を日本に出荷する中国だ 国産家具メーカーが苦戦を強いられている。
デフレからの脱却が思うように進まない中、中国をはじめとするアジア圏の家具を相手に、価格競争で勝つのは難しい。
では、いったいどこに活路を見出すべきか? そのひとつの潮流となっているのがデザイン力の強化だ 家具の一大産地である北海道旭川では、60回に渡って毎年開催してきた「旭川家具産地展」を、15年から「ASAHIKAWA DESIGN WEEK」と改名。
90年から開催してきた「国際家具デザインフェア旭川(IFDA)」とともに、“デザイン重視の旭川家具”というブランドを強く打ち出している。
その中心的な存在となっているのが、地元の家具メーカー「カンディハウス」。
“家具はデザイン産業”だと話す、現会長の渡辺直行氏。
さらには、創業者の故 ・長原實氏の時代から、洋家具のデザイン性を一途に追求してきたブランドだ ■デザイナーの目に映る日本の美をカタチにする。 カンディハウスはドイツで最先端の家具づくりを学んだ長原實氏が帰国後、周囲の支援を受けて、68年に実質的な社長として設立した会社だ。
婚礼箪笥の産地だった旭川で、イスやテーブルなどの洋家具を手掛ける。
さらには、海外のデザイナーともコラボレーションを行なうなど、日本的ではない発想のモ ノづくりを行ない、当時地域ではかなりの異端児的な存在だったようだ ただ、こうしたデザイナーと共同開発した家具は数々の名作を生み、40年以上のロングセラーを誇るシリーズが今なお根強い人気を集めている。
取締役 マーケティング本部 本部長 染谷哲義氏の話によると、その根底にあるのは外部のもつ発想力だ コレクションの中で同社でも有数の成功体験になっているのが、07年に発表した「tosai LUX[トーザイ ラックス]」シリーズだ。
当時、カンディハウスはヨーロッパ進出に力を入れていた。
05年に現地法人を設立。
ミラノサローネと並び称させる「ケルン国際家具インテリア見本市」に出展している。
しかし、その結果は惨憺たるものだった。 「創業者の長原が北欧のデザインに影響を受けていたこともあり、当時主力だったのは白木のモダンスタイルな家具でした。
ですが、ヨーロッパの人にしてみれば、隣国でよく見かけるものを、わざわざ日本から買う必要が無いと言われたわけです。
『なぜ、IKEAの家具を買わないといけないのか』などと、はなは だ厳しいお声も頂きました」 これを反省し、翌年の出展では素材に色の濃いのウォールナットを使うなど、現地の嗜好に近づけるような製品を展示したという。
とはいえ、多少の実績を得られたものの、それは満足できる結果とは到底言えなかった。 3年目の出展に向け、カンディハウスは“ドイツで最も成功したデザイナー”と評されるペーター・マリーに仕事を依頼すべく、彼を日本へと招へいする。
外部からの目に映る日本的な美しさをデザインに込めて、海外で勝負できる製品をつくる。
それが、2度の出展から導き出した答えだった。 唐招提寺の校倉造を思わせる直交的な構造。
嵯峨野の竹林をイメージしたテーブル脚。
行燈のように灯るLEDライト。
完成した「tosai LUX」シリーズは、ケルンにあってどこか日本を感じさせる製品となった。
ブースには連日多くの人が集い、その由来について興味深く聞き入る。
そこに、日本の美をモチーフにしたことで生まれたストーリー性を、日常生活に取り入れるという価値が生まれた。 「この成功におけるもうひとつの理由は、家具だけでなく展示空間から家具まで、ブース全体のデザインをペーター・マリーさんに一任したことにあります。
これによって、“日本に起因するストーリー性を持つ旭川のメーカー”という存在を、ブースの世界観全体で伝えることができました。
そのインパクトは展示場の 中でも際立っていたと思います」 fff:
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