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- ID:
- 34712
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0127
- 見出し:
- 90歳の木彫り仏像個展 矢板の手塚さん、定年後制作
- 新聞名:
- 東京新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201601/CK2016012702000172.html
- 写真:
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- 記事
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矢板市の元小学校教師、手塚修平さんが、自ら制作した木彫りの仏像などを集め、90歳で初の作品展を企画した。
定年後から仏像作りを始めて、ちょうど30年の節目。
「ただただ皆さんに喜んでもらえてありがたい」。
緻密に彫られた仏像や能面が、見る人を引きつける。
(中川耕平)
柔和な表情をたたえる弥勒菩薩(みろくぼさつ)、力強い印象の阿弥陀如来(あみだにょらい)、高さ約九十センチの聖(しょう)観音像。
会場となった那須塩原市西栄町の茶販売店「山内園」には、最近十年で作った約三十点が並ぶ
矢板市内の小学校で長く教壇に立ち、市立東小学校の教頭を最後に退職した手塚さん。
仏像を作り始めたのは、小学校時代の恩師の誘いがきっかけだった
「日光彫(ぼり)」で県伝統工芸士の認定を受けた日光市の彫刻家、故安原白砂(はくさ)さんに師事。
当初は「彫刻の素養がなく、不安でいっぱい。
とても続けられるとは思っていなかった」と話す。
だが、自分なりの表情の仏像を追求するうちに、面白さが勝った
安原さんの元に通いながら腕を磨き、三十年で手掛けたのは約三百点。
一週間で出来上がる仏像もあれば、展示している聖観音像は完成までに四カ月を費やした。
作品展は、教師の後輩の舩田(ふなだ)功さん(76)=那須塩原市=が、手塚さんの自宅に所狭しと並んだ作品を見て「多くの人に見てもら
いたい」と発案した
作品展のタイトルは「祈り」と名付けた。
「東日本大震災後の原発、あふれる難民の問題など世界が混乱している今だからこそ、作品を通じて平和を考えてほしい」。
手塚さんは、タイトルに込めた思いをそう語る
今は自宅の一室で彫刻刀を手に、木と向き合う日々。
「体力が落ちて制作ペースは遅くなったが、できる限り作り続けていきたい」と話している
作品展は二十八日まで。
作品は希望額で販売し、売り上げは夜間中学校や平和運動団体に寄付する。
観賞無料で、時間は午前十時~午後四時
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