v11.0
- ID:
- 35407
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0509
- 見出し:
- 木の名作椅子、デザインの秘密。
|ジョージ・ナカシマ
- 新聞名:
- カーサ ブルータス
- 元UR(アドレス):
- http://casabrutus.com/design/19474
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
世界各国のデザイナーが手がけた木の名作椅子を紹介する、Casa BRUTUS.com × SHAWOODのコラボレーション企画。
今回は、独特の手法によって木の持ち味を生かしたジョージ・ナカシマ《CN103 ラウンジ アーム》です
木造住宅の常識を超える高い天井と、空や緑を身近に感じさせる窓が印象的な《グラヴィス・ヴィラ》のハイラウンジ。
簡素な美をそなえたジョージ・ナカシマのラウンジアームチェアと、木の温もりがあふれる空間が互いを引き立て合う。
撮影地:シャーウッド〈グラヴィス・ヴィラ〉関東 住まいの夢工場
もしかすると、クラシックな趣を持つ椅子に見えるかもしれない。
アメリカで活動したデザイナー、ジョージ・ナカシマによる《CN103 ラウンジ
アーム》は英国発祥のウィンザーチェアの流れを汲む一脚だ。
スポーク状の背もたれや、座面に脚部を直接ジョイントする構造が、ウィンザーチェアの特徴を踏襲している。
ただし全体のプロポーションは無駄がなく洗練されていて、モダンな印象を漂わせる。
さらに最低限のパーツによって、ユニークな片側の
みのアームレストを支えている。
この椅子は、ウィンザーチェアを原型に、高度なクラフツマンシップを生かしながら、普遍的な個性をそなえたものとして完成されているのだ。
この個性を生んだのは、ナカシマのキャリアの前半に培われたモダニズムへの意志と、生涯にわたって持ち続けた木への思いだった。
ジョージ・ナカシマによる《CN103 ラウンジ アーム》は1960年代前半のデザイン。
木工の技は日本にルーツがあるが、彼の家具の人気と評価はアメリカでもきわめて高い。
250,000円。
桜ショップ銀座店 TEL 03 3547 8118
1905年にアメリカで生まれたナカシマは、1934年から日本で建築家のアントニン・レイモンドに師事している。
レイモンドは巨匠フランク・ロイド・ライトに学んだ経験のある、日本の近代建築の発達に大きな貢献をした人物。
彼が建築の五原則としたのが、簡潔であること、誠実であること、率直であること、経済的
であること、そして自然であることだった。
ナカシマは建築家としてキャリアを積む中で、そのモダニズムの思想を吸収していく。
1940年代にアメリカに戻り、家具作りに転向したナカシマの椅子が、そんな時代の経験に裏づけられているのは明らかだ。
《CN103 ラウンジ
アーム》も、満たすべき機能に適う限られた材料を用いて、職人が手仕事で組み上げていく。
素材の強さを巧みに引き出し、接合部には釘を使わない。
またナカシマの家具は、木の色合いや木目はもちろん、通常の木工家具では避けられる節や割れなども味わいとして生かした。
この椅子では特に、アームの
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