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- ID:
- 35203
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0401
- 見出し:
- 西条に製造拠点 全国初、原木から一貫生産 /
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/articles/20160401/ddl/k38/020/684000c
- 写真:
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- 記事
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「次代の建材」と言われるCLT(直交集成板)を原木から一貫生産する全国初の製造拠点を、西条市小松町新屋敷の製材会社「サイプレス・スナダヤ」が同市北条に建設する。
県庁で記者会見した砂田和之社長は「多くの建築物に使ってもらいたい」と述べた。
【橘建吾】
CLTは英語の「Cross Laminated Timber(クロス・ラミネーテッド・ティンバー)」の略で板を縦横に何層も重ねた重厚な木材パネル。
(1)断熱・耐火性に優れる(2)同体積の鉄筋コンクリートの5分の1ほどと軽い(3)柱やはりが不要で工期が短く済む(4)木材を大量に使い質の悪い木材でも利用可能なた
め、林業の発展に貢献する−−特徴がある。
海外で利用が進み、欧州では高層マンションなどに使われている。
国内でも建築基準法の見直しで、4月から建設に使う場合に国の認可が不要になることから、コンクリートが使われていた集合住宅や高層建物への利用拡大が期待されている。
施設は5月に着工し、2018年度から本格稼働を予定。
19年には年間2万1396立方メートルの生産を見込む。
総事業費(概算)は77億3877万円。
県によると、国内では岡山、鹿児島両県に製造施設があるが、原木から最終製品にまで加工する設備は初という。
同社の計画では、CLTの製造に伴い、県産材の消費量は15年の約2万4000立方メートルから19年には約7万8000立方メートルに増える見込みだ。
中村時広知事は会見で「林業の成長産業化に向け、この上ない起爆剤になる」と期待を寄せた。
林業従事者の所得向上期待
県によると、県内の木材生産量は1980年の約80万立方メートルから2011年には47万立方メートルに減り、ヒノキの原木価格(1立方メートルあたり)はここ20年間で約1万9000円下落した。
林業従事者の収入は年間300万円弱と低迷。
CLT普及による林業従事者の所得向上が期待されている。
日本CLT協会(東京)によると、高知県大豊町の製材会社「高知おおとよ製材」社員寮を皮切りに、福島県湯川村の共同住宅▽長崎県佐世保市のハウステンボス「変なホテル」第2期棟−−など各地でCLTを使った建物が造られている。
高知おおとよ製材の岡田繁工場長は「社員寮には5世帯が住んでいるが冬は暖かく夏は快適だと好評。
耐震性に優れているので、地震保険にも入っていない」とし「普及と共にコストも下がる」と話す
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