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ID:
34963
年:
2016
月日:
0302
見出し:
丸太を商品化するまで 安心院製材所
新聞名:
大分合同新聞
元UR(アドレス):
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/03/02/214126383
写真:
【写真】
記事
林業が基幹産業の日田市。
日田杉を使った駅舎や校舎、家具に始まり、日常生活にも取り入れやすいげたや小物を手にしたことがある人も多いはずだ。
商品化には、山から切り出した丸太を加工する「製材所」の存在が欠かせない。
市や日田木材協同組合によると、市内は約70社あり、高度に専門化さ れた中小製材所が集まっている。
製造工程や各社のこだわりを知ろうと市内の製材所を取材した。 1852年創業の安心院(あじみ)製材所(本社・銭渕町)は足場板の他、住宅用の柱などを生産している。
「製材といえば取りあえず柱だろう」と思い、市内高瀬にある第2工場を訪れた 敷地はスギ以外に独特の香りが漂っていた。
「柱を乾燥機で乾燥させるときに出るヤニの香りかな」と安心院啓社長(33)。
父で会長の剛さん(70)は乾燥材の量産に商機を見いだし、1994年に機械化した同工場を新設。
丸太を年間3万立方メートル扱い、1日当たり約500~600本の柱を生産する ラインは大きく「製材」と「加工」に分かれる。
まずは「製品の良しあしがほぼ決まる」という製材ラインを見学。
目の前の製材機に樹皮を剥いだ丸太が運ばれてきた。
作業は自動化。
センサーで木の形を測り、どんな製品が何本取れるかコンピューターが計算する。
丸太が機械の奥に入ったかと思うと2枚の 帯のこがスッと入り、瞬く間に白い木の断面が現れた。
残り2面も切り、柱形になるまでわずか40秒程度だった 製材後、1週間ほど乾燥させ、一定期間の養生を経て加工。
「モルダー」と呼ばれる機械で表面を仕上げ加工する。
現場では1人が部材を見ながら機械に投入し、出てきた部材をまた別の男性社員が三つの等級に分類していた。
表面はどれもツルツルとしていて一見違いは分からない。
チェックする男性が 「角の丸みや割れで等級の差がつく」と教えてくれた。
品質にばらつきが出ないよう男性の目に10年近く託されている工程。
安心院社長は「機械化とはいえ、商品選別やラインの管理、原木の買い付けなど人の目が欠かせない部分は多い」という 安心院社長は6代目として2013年に就任。
「『価格と品質と納期。
一つでも欠けると魅力がない』という先代の言葉を忠実に守り、当たり前の物を当たり前に作りたい」という。
斜陽といわれることもある製材業界だが「より良い商品作りにとことんこだわっている人は多い。
そんな人たちに囲まれていると、やり方次 第ですごく面白くなる」と期待を込める 他の製材所でも世代交代が進み、同世代の経営者も増えている。
「市内の各業者が足並みをそろえ、日田製材業の営業マンになって盛り上げたい。
今後を担う僕らがどう変わっていけるかだと思います」 fff:
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