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- ID:
- 46053
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0520
- 見出し:
- 多摩産材で雑貨商品化
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20100519-OYT8T01321.htm?from=dmst3
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
木材削った「経木」利用 男性3人 林業活性化願い
「Terop」(手前)の商品化に携わった(左から)亀井さん、松岡さん、中野さん=武蔵村山市の「KOMA」で
多摩地域で建材卸売業や注文家具会社を経営する30代の3人が、多摩産の材木を利用したインテリア雑貨を商品化した。
多摩生まれの木を少しでも多く消費し、森林事業が活性化することを願っている。
木材の価格が高いため、薄く削った「経木」にしてデザインしたのが特徴だ。
雑貨の売り上げの一部
は、都内の植林活動のために寄付する。
多摩産材のスギやヒノキは従来、住宅の柱などに利用されてきたが、安い輸入材に押され、消費が伸びない結果、手入れができず、森が荒廃している。
そのため、瑞穂町の建材卸業「東和通商」の常務、中野歩さん(32)が「建材よりも、もっと気軽に買ってもらえる商品を作ることはできないか」と考え、取引
先の高級注文家具会社「KOMA」の社長、松岡茂樹さん(32)に相談した。
2年前のことだった。
その時は、多摩産材は表面に傷がつきやすいため、松岡さんは「家具を作るのは難しい」と断った。
しかし翌年、家具製造業の仲間の工場に行くと、電気が消え、休業していた。
社長が金策に走っている所もあった。
不況の波にのまれているのを実感し、「仕事の注文を待っているだけではダメ。
何か自分たちで発信していくことが必要」と思い直した。
同じ会社の専務、亀井敏裕さん(32)とともに、多摩産材を
使った家具の製作に取り組んだ
イスなどを試作したが、細い線を出すことができず、デザイン的にも問題があった。
その後も、漆を塗ったカップやティッシュケースを作ってみたが、多摩産材が高価なため、コストがかかりすぎた。
そこで目をつけたのが、薄く木材を削った「経木」を使うことだった。
中野さんの知人から、今年4月のイベントの記念品として写真立ての注文が舞い込んだ。
細長い紙のような経木を布で補強し、丸めてボタンで留めたものを作ってみた。
ペンスタンドやトイレットペーパー入れなどとしても利用でき、好評だったた
め、商品化を決めた。
商品名は「Terop」(ティロップ)とした。
涙のしずくを意味する英語をもとに作った言葉で、泣いている森の涙を一つでも減らそうという思いが込められている。
松岡さんは「1本でも多くの木を植えることができればありがたい」と話している。
1500円(税込み)。
ホームページ(http://www.madeintokyoproducts.jp)から購入できる。
問い合わせは、KOMA内のプロジェクト事務局((電)042・531・5995)へ
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