v11.0
- ID:
- た
48891
- 年:
- 2010
- 月日:
- 1130
- 見出し:
- 木で沸かす 柔らかなお湯
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000001011290005
- 写真:
- -
- 記事
-
敷地に入ると、ふわんとこうばしい香りが鼻にとびこんでくる。
お湯を沸かすために燃やした木材のにおいが漂ってくるのだ
あきる野市の温泉施設「秋川渓谷 瀬音の湯」。
27度の源泉を、近くの製材所で出る廃材を燃やし加温している。
林業が盛んな同市ならでのバイオマスだ
ボイラーは見学自由。
職員がボイラーを開けると火の粉が舞い、暖炉のようでワクワクする。
湿った木が多い時は、乾いた皮を足すなど、工夫も欠かせないという
「木材で沸かしているためか、お客さんが、お湯のあたりが柔らかいと言ってくれます」と業務課長の柴原健一さんは言う
泉質はアルカリ性単純泉で、pHはなんと10.1。
2けたを超えるところは国内でも少ないといい、肌がツルツルになる。
露天風呂では紅葉を眺め、柔らかいお湯で入浴と森林浴を同時に味わえる
2007年にオープン。
当初予想の年間入場数19万人を超え、24万人ほどが訪れる。
土日祝日には1千人以上が来場し、女湯は30、40分待ち、入場を待つ行列が外まで並ぶこともある
春には花見、夏にはバーベキュー、キャンプ、秋には紅葉、登山、冬は雪見と、行楽客がひきもきらない。
入浴の受付前には、登山用リュックを置く棚も用意されている
朝採り野菜など、地元の品を売る物産販売所も人気だ。
この野菜を買って自炊もできるコテージが10棟あり、都心から月に4回泊まりに来る常連さんもいるという。
「都心から抜け出して、郊外の東京へ、という感じでしょうか」と柴原さんは言う
駅へ行き来するバスは送迎バスではなく路線バスで、地域の人たちが次々に乗り込んでくる。
「今帰りですか?」と交わすあいさつも聞こえて、「東京」とはひと味違うふれあいに、気持ちがほっこりする
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