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- ID:
- 48396
- 年:
- 2010
- 月日:
- 1027
- 見出し:
- 木炭使い梅園地の若返り研究
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元UR(アドレス):
- http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=199186
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
和歌山県林業180件試験場(上富田町)は、梅の連作障害(いや地)を軽減して園地の若返りを図るため、木炭を使って生育阻害物質を吸着する研究を、県うめ研究所(みなべ町)、鳥取大学(鳥取市)と共同で始めた。
木炭の原料には、せん定枝や伐採樹、樹皮など、これまで未利用だったものを使ってお
り、一石二鳥の研究に期待が寄せられている。
県内の梅園地では、収量が減ってくる樹齢25年以上の園地(1150ヘクタール)が全体の3割以上を占め、今後、さらに老木園が増加すると見込んでいる。
このため、改植して園地の若返りが必要だが、改植すると生産性が低下する連作障害が発生して深刻な問題となっている。
連作障害は、梅の根を由
来とする生育阻害物質が影響していることが県うめ研究所の調査で分かっている。
木炭の原料ごとに生育阻害物質を吸着する炭の表面積を調べるため、同試験場は各材料を異なる炭化温度(300~400度、600度、900度)で焼いて1グラム当たりの面積を調べた。
900度のヒノキ樹皮が757・4平方メートルで最も多く、市販活性炭(800平方メートル以上)に近い数値となった。
次
いで900度の梅の伐採樹(直径10センチ以下)とせん定枝が443平方メートルと多かった。
ただ、炭化温度を300~400度にすると、最も面積の多いヒノキ樹皮でも25・3平方メートルしかなかった。
県うめ研究所では、これらの木炭を使って、梅の苗木の生育実験を続けており、近く結果が出る予定。
改植実験については今後行う。
一方、鳥取大学ではレタスを使って根の伸び具合を調べる栽培実験を行っている。
各木炭とも炭化温度の高いものほど根長阻害を軽減する傾向がみられ、特に900度のヒノキ伐採樹はほぼ100%生育阻害を改善させた。
試験場の橋本千賀子研究員は「炭化温度と素材によって特性が異なっていることが分かってきた。
それぞれの特性に合った使い方を考えないといけない」と話している
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