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- ID:
- 47102
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0804
- 見出し:
- 水車で製粉 毎日使わないと水車の木材が乾燥してしまうため壊れやすくなる
- 新聞名:
- 山梨日日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.sannichi.co.jp/local/news/2010/08/04/6.html
- 写真:
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- 記事
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上野原市西原を流れる方屋川には、住民が共同で使う2基の水車がある。
農業の担い手不足や製粉の機械化などで利用者が減っていたが、地区に移住してきた若者が、その魅力に着目したのを契機に見直されつつある
水車は木製で、それぞれ直径2メートルほど。
上流の水車は「ウエックルマ」、少し離れた下流の水車は「シタックルマ」と呼ばれる。
上流の取水口で取り込んだ水を、水車の真上から落として回転させる仕組みだ。
水車小屋の中には年季の入った木製の歯車と大麦をつく臼、小麦などをひく臼。
収穫した麦
やソバを各自持ち込んで製粉する
傾斜地が多く水田の少ない同地区では、麦やソバが主食で、生活に水車が欠かせなかった。
約50年前は20基以上あり、数軒ずつで共同利用していたという。
同地区で生まれ育った船木光好さん(67)は「昔は水車は順番待ちで、昼も夜もフル回転だった」と懐かしそうに振り返る
過疎化や製粉の機械化で、数人の利用者しかいなかった水車に、同地区に移住した夏目暁子さん(27)や菊池容子さん(27)らが着目。
水車文化を次世代に引き継ごうとお年寄りに使い方を習い、自分たちが育てた麦やソバの実を製粉するようになった
菊池さんは「製粉時に熱が加わらないため、濃い味の小麦粉やそば粉になる」と水車の魅力を語る。
2人が働く観光施設「びりゅう館」で出すそばの粉も水車でひいていて、店頭には水車をPRしたポップが飾られている。
県外の情報誌に“水車ソバ”が取り上げられたこともあるという
先日、上流の水車に水を送る木製のといが割れてしまい、応急処置をしながら使っている。
毎日使わないと水車の木材が乾燥してしまうため壊れやすくなるという。
夏目さんは「手入れをしながら大切に使って、水車でひく粉のおいしさを多くの人に知ってもらいたい」と話している
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