v11.0
- ID:
- 46628
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0630
- 見出し:
- 中国大連工場稼働、ローカル化を強化 玄々化学工業
- 新聞名:
- ペイント&コーティングジャーナル
- 元UR(アドレス):
- http://www.coatingmedia.com/interview/archives/2010/06/post_98.html
- 写真:
- -
- 記事
-
玄々化学工業は中国の第2拠点として大連市に大連玄華塗料有限公司を設立、4月6日より本格稼働をスタートさせた。
100万トン規模の中国木工用塗料マーケットに対して、青島工場に次いで大連工場を設立したことで更なる事業拡大を進めていく意向。
大連工場の位置付けや今後の中国事業展開な
どを宮田紀昭社長に聞いた
大連玄華塗料有限公司の概要を教えてください
大連工場は中国・大連市から車で1時間ほどに位置する大連松木島化学工業団地内にあります。
工場の敷地面積は約1万2,000m2、建物面積は約7,200m2でメインプラントの他に事務所と材料倉庫が配備されています
大連工場では木工用のポリウレタン樹脂塗料をメインに製造し、ラッカー系や各種着色剤も製造します。
生産能力は月産400トンですが、将来的には600トン規模まで拡張していきたいと考えています。
従業員は日本人4名を含めた30名ほど。
今後の成長に伴い人材面でも拡張するつもりで、50名体制が
1つのめどかなと考えています。
総経理は王秀訓氏が青島工場と兼任し、日本人スタッフは技術と営業サポートとして常駐しています
大連工場はどのような位置付けですか
2001年に設立した青島工場では月に200~250トン製造しており堅調に推移しています。
更なる事業拡大を図るため、大連工場を設立しました。
中国政府は内部地区だけでなく、東北三省も経済政策の重点エリアとしています。
もともとロシアから木材資源を調達しやすいといった地域特性もあってここは木材
加工業が発展している地区です。
大連工場はこうした商圏に対する拠点と考えています。
ユーザーはローカル加工業者がメインで、特に家具用が多くなるでしょう。
60%程度でしょうか。
その他のユーザーとしては楽器やフローリングなどさまざまな分野に向けて販売していきます
中国市場へのローカル化・現地化を進めていますね
原材料の現地調達は95%を超えています。
日系や外資系の他、台湾系やローカルメーカーから購入しています。
販売先のローカル加工業者に対してはダイレクト販売が主体になります。
代理店は当社の製品のみを扱う代理店が1社あるだけです。
中国でも木工用塗料マーケットは塗料メーカーやディー
ラー間の競争が激しさを増しています。
ただそうした競争、特に単価競争に単純に加わると品質の面で問題が生じかねないので、そこは差別化が必要だと考えます
具体的にはどのような差別化ですか
中国では社会インフラ強化や住宅数を増やすことを国策として推し進めています。
そうした方針は木材加工産業の伸長にも大きく影響しており、そのため木工用塗料マーケットでも競争は激化しています。
私としてはそのとき重要なことは品質とコストのバランスだと考えています。
当社では品質の信頼性に重き
を置いて、品質の安定供給を最重要視して事業展開を進めていきます。
高品質、高付加価値分野を強化して差別化を図っていきます。
もちろん価格に対しても中国マーケットのスタンダード価格があるのでそうした価格に対する柔軟性は必要です
加えて当社の技術力を生かしたサービスをアピールしていきます。
また関連していますが、ローカルユーザーは輸出を考えているので日本のトレンドを求める傾向があります。
そうしたニーズに対して新製品のトレンド提案といった踏み込んだサービスが必要になってきています
今後の中国事業の方向性はどのように進めますか
これからは中国国内への展開をメインとするユーザーに対しても踏み込んだサービスが必要になるでしょう。
中国社会でもライフスタイルに変化が見られているので、当社の持っている機能性塗料などさまざまな切り口から、積極的にユーザーの製品開発にまで踏み込んだ提案をしていきたい
そういう意味でも将来的にはR&D機能もこちらに持ってきたいと考えています。
テクニカルセンターとして塗料及び塗装技術までをカバーすることが事業拡大には重要です。
拡大を続ける中国マーケットに対して、将来的に生産拠点は4つ必要だと考えています。
あと2つの工場建設については、物流コストを考慮
した上で立地の選択をしていくつもりです
国内マーケットについてはどうですか
日本国内の木工用塗料マーケットはシュリンクしており、当社としては技術力を生かしてニッチな分野に深化していく方向です。
少量多品種な製品戦略を進めてこまかなニーズに対応していく必要があります。
また、木工用塗料が主体であることは変わりませんが、新しい事業も立ち上げられればとも思っています
そこで今後大切になってくるのがマンパワーです。
人材育成は重要な取り組み事項なので、日本と中国での人材交流も積極的に行って、チャレンジできる機会を作っていくつもりです。
そうした取り組みで人材育成が進めば、中国の第3拠点、第4拠点の設立にも着手できるでしょう。
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