v11.0
- ID:
- 46391
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0612
- 見出し:
- 大川家具が一大産業になったのはなぜ?
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20100613ddlk40070251000c.html
- 写真:
- -
- 記事
-
◆大川家具が一大産業になったのはなぜ?
◇武士の副業から全国へ 福祉家具など創意工夫も
なるほドリ 大川市と言えば、家具の街だよね。
どうして盛んに?
記者 そうですね。
大川の家具は、約460年前の室町時代に、榎津久米之介(えのきづくめのすけ)という出家した武士が、船大工の技術を生かして「指し物」と呼ばれる船だんすを作ったことに始まります。
大川は有明海に注ぐ筑後川河口にあり、海運が盛んでした。
船大工も多く、指し物作りは貧しかった
武士たちの副業として広まりました。
当時はくぎを使わず、穴や切り込みを入れた木を組み合わせて作っていたそうですよ。
その後、自宅で使う大型のたんすや鏡台などが作られるようになり、明治期から全国的に知られるようになりました。
Q 大川家具ならではのものはないの?
A ありますとも。
戦後、急速に機械化が進み、丈夫さだけでなく、デザインや利便性を追究することが可能となりました。
その結果50年代に、引き出しに金具の引き手が付いていないたんすが開発されました。
これが大川家具のブランド力を一気に高めたのです。
一説では、冷蔵庫の原型になったとも言われ
ているんですよ
Q 最近ではどんなものがあるの?
A ズバリ福祉家具です。
高齢者や障害者の自立支援のために、産官学の連携で開発されました。
例えば、腰が悪い人にとっては、椅子から立ち上がる時が厄介です。
そのため、高さや角度に工夫を凝らし、力をほとんど使わず立てる椅子などがあります
Q すごい! でも不況の影響で、経営が苦しいとも聞くよ
A 大川市統計年報(08年版)によると、99年に約650億円あった生産高は、08年には約330億にまで落ち込み、事業所も約400あったのが300を下回っています。
現実は厳しいですよね
Q 大変だ、打開策はないの?
A ウォルト・ディズニー社と契約し、ミッキーマウスなどおなじみのキャラクターをイメージしたたんすを作っているメーカーもあります。
また、職人の「さじ加減の心地よさ」の意味を込め「SAJICA」というブランドで、ヨーロッパの家具展示会へ出展するなど、世界に販路拡大を目指し、日々挑戦していますよ
fff: