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- ID:
- 46275
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0604
- 見出し:
- 木製遺構新たに発見 三重津海軍所
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001006040003
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
佐賀市が世界遺産登録を目指して調査中の三重津海軍所跡(同市川副町)で、ドックの護岸の一部とみられる木製の遺構が新たに見つかった。
海軍所の特注品と推定される1850~60年代の磁器も初めて同じ場所から出土、市教委は「護岸が幕末期に属するものであることが明らかになった。
一帯を三
重津海軍所として間違いない」としている
見つかった遺構は、これまで2段が出土していた護岸の3段目とみられる。
直径約20センチの杭(くい)を5~6本打ち込んだ列に、横木を渡して固定していた。
1~2段目同様、2~3段目も水平に2メートル進んで1メートル掘り下げられており、階段状の構造が分かった
市教委によると、海軍所でボイラーを取り付けた記録が残る軍艦「電流丸」は高さが約6メートルあり、これを収容するために、ドックはさらに3段ほど存在する可能性があるという。
また、ドックの発掘現場からは初めて、「海」「役」などの文字や、チョウが波の上を飛ぶ「灘越蝶文(なだごしちょうもん)」と呼ば
れる図柄が入った皿や碗(わん)などの磁器も多く出土。
製造は1850~60年代と判明し、ドックが同時期のものであることが分かった。
他の遺跡では出土例がなく、市教委は嬉野・志田の窯に海軍所が特注したものとみている
過去の調査では、ドックと離れた地点で同規格の磁器が見つかり、地層が連続していることを根拠に、ドックの年代を推定していた。
市教委の前田達男世界遺産調査室長は「ドックの年代が直接分かる遺物が出土し、ここが三重津海軍所でほぼ間違いないと推定できた。
世界遺産登録に必要な遺跡の全容
の解明に役立った」と評価している
発掘現場は6日午前9時~正午に一般公開される。
市教委による説明会は9時半、10時半、11時半(各30分)。
7日以降、埋め戻される。
問い合わせは市教委文化振興課(0952・40・7368)
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