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住宅産業メーカー「山大」(石巻市潮見町、資本金十一億円、高橋貞夫社長)は一月三十一日までに、総額十六億二千万円を投資する大型製材工場の新設を決めた。石巻港雲雀野地区の県有地二万平方メートル
を取得して二月中に着工。六月ごろから稼働する予定だ。輸入材が上昇傾向にある中、安価な国産材を有効に活用し、木材の地産地消と木材産業全体の活性化を図るのが狙い。今後、木材生産団体と効率的な出荷体
制について協議し、高品質で価格を抑えた住宅用木材の供給を目指す。地元資本で十億円を超える設備投資をする企業は珍しい。
山大によると、新工場の用地は本社向かいにある港湾背後地を県から払い下げを受ける。製材ラインの長さを一般型の半分以下に抑えて生産スピードを上げることで、省力化やコスト抑制を図る国内初のシステムに
なるという。
当初の生産能力は、月産二千七百五十立方メートル(一般住宅換算で百-百二十棟分)。製材に直接携わる人数は六、七人で、一般的なラインの10パーセント程度で済む見通し。製品は自社用として使用するが、将
来的には能力を四倍に拡大し、各ハウスメーカーにも販売する。
製材には、ドイツと国内メーカーの最新システムを導入する。樹皮をはがした原木の形状をコンピューターが一本ずつデータ化し、歩留まりが最も高い状態にして裁断。高周波を利用した乾燥機で中心部の水分も下げ
た後、最終的にねじれなどを取る切削加工をして製品にする。
主に県内産の杉や松、ヒノキを製材する。原木の形状にもよるが、むく製品になるのは原木の35-40パーセントで、残り50-55パーセントは合板、10パーセント程度がチップとして活用される。樹皮などはボイラ
ーの燃料として使用し、産業廃棄物を出さないよう配慮する。
山大は一九八〇年まで国産材を製品にする製材部門を抱えていた。輸入材が安価に入るようになったことから製材部門をやめてプレカット部門に移行。製材部門は二十七年ぶりの再開となる。
高橋社長は「輸入材は一年半前に比べ20-40パーセントも値上がりしている。一方、国産材は七十年生の杉が立木状態で一本三百円と、産業として成り立たない状況だ。設備投資によって国産材利用を拡大し、品質
の良い製品を安く供給して業界全体の活性化につなげたい」と話している。
製材工場の新設計画は二〇〇三年ごろから構想を練り始めた。〇六年には新卒を含む十五人を採用し、人材面での強化にも取り組んでいる。
山大グループの〇七年三月期の通期業績見通しは、売上高五十五億八千四百万円(前期比50・2パーセント増)、経常利益二億二千八百万円(76・9パーセント増)、純利益一億三千六百万円(50・2パーセント増)。+/
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