ID : 194
公開日 : 2006年 1月30日
タイトル
『長く大事に…』親心込め学習机を手作り 埼玉県飯能市の木工房「木楽里」
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新聞名
東京新聞
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元URL.
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20060130/ftu_____kur_____000.shtml
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元urltop:
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写真:
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木工房「木楽里(きらり)」(埼玉県飯能市)は、希望者に有料で工具や場所を貸し、地域のスギやヒノキを素材に家具造りを体験してもらうユニークな工房だ。最近は、子どもの学習机を自分で作る親でにぎわっ
ているという。そのココロは「長く大事に使いたいから」。新入学児童向けの商品が店頭に並ぶこのシーズン、工房を訪ねた。 (鈴木 久美子)
国道沿いに建つスギで組んだ建物が工房。訪ねた日はちょうど、一人のお父さんが作業中だった。県内に住む公務員の北田俊直さん(35)。今春、新一年生になる長女にプレゼントする机だ。
天板にするヒノキの一枚板に丁寧に電動やすりをかけ、何度も手触りを確かめる。「手間をかけることが楽しいんです」と北田さん。
「長く大事に使っていきたい。親の勝手な思いですけど、子どもにもそれが伝われば」
「木楽里」は、林業家の井上淳治さん(45)が一九九七年に開いた。「たくさんの人に木に親しんでもらう場を作ろう」との思いだった。
一帯は古くから続く林業地で、「西川材」と呼ばれるスギやヒノキを首都圏に供給してきた。井上さんの家も江戸時代から続く林業家だ。けれど近年、林業は不振。生活の中で、木に代わる素材がどんどん使われるように
なってしまったことも一因だ。一般の人が地域の木に触れ、なじむ場所から作っていかなければ、と井上さんは考えた。
利用者は、手工具や電動工具を借りることができ、費用は一日(午前九時-午後六時)で四千五百円。一般の人が長時間使える工房は全国的にも少なく、木楽里の利用者は徐々に増えた。日曜大工が好きな人、ドライ
ブの途中に立ち寄る人…。県内を中心に年間に約二百五十件の利用がある。
学習机作りは、「地域の木で作ってみませんか」と地元の生協が呼びかけた企画がきっかけだった。それが口コミなどで広がり、この数年は年間に十組以上の親子が学習机を作っている。
四-六日かけて、材料費を含め五万-八万円で作る人が多い。作業は、素材の板選びから。色合いや木目をそろえるなど、産地ならではの楽しさもある。ノミやカンナなど使い、ほぞを組むちょっと高度な技にも挑戦
できる。端材を利用し本箱などを作る人もいる。必要に応じて、工房のスタッフのアドバイスを受けられる。スギは広葉樹に比べ柔らかいが、丁寧に扱えば十分に長く使える。
「家具造りは初めてという方がほとんどです。苦労されても、完成後に『こんないいものが自分でできた』とびっくりされる」とスタッフの鴨下知子さん(33)。
学習机を作るのは、愛着の持てる物を求めたり、既製品に飽き足らない、といった理由だ。
親子二人で一緒に学習机を作った会社員、岡野大一郎さん(38)=東京都羽村市=は「世界で一つの机。子供も自信満々で、自分で作ったことが思い出になって大切にするんじゃないか」と期待する。幼稚園児の二男
の机も作る予定だ。
埼玉県富士見市の主婦丸山和子さん(37)は「家具にしろ食べ物にしろ、身近で、だれが作ったか分かる物を、と思っていました。娘と一緒に、この山で育った木が机になる、ということを学ばせてもらい、机ができあが
ってからも、山菜採りなどで山に遊びにきています」と話す。
近くの山の木を使えば、輸送コストのかかる輸入材を使うより環境への負荷は少ないし、プラスチックより廃棄にかかる手間も少ない。もちろん、大事に使えば、長持ちもするだろう。
「くつろいだ時間の中で、木が育った山の話も伝えたい」と鴨下さんは言う。
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