ID : 15077
公開日 : 2010年 2月19日
タイトル
森と生きる: 使う 嶺北材ブランド化協議会長・田岡秀昭さん
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20100219ddlk39040658000c.html
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元urltop:
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写真:
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「住まいは森の未来」
淡いピンク色の木目で、温かみのある嶺北地域産の杉。住宅材に使い、まちの中に森をつくろう--。そんなコンセプトで、製材会社などでつくる嶺北材ブランド化協議会が「れいほくスケルトン」を商品化している。
骨組みを意味するスケルトン。1本の大黒柱と6本の通し柱を基本構造に、建築現場ですぐ組み上げられるよう事前に切った木材のセットだ。間取りは工務店や設計士が自由にアレンジ。建築家14人が38パターンの基
本プランを提供している。
「家ができる仕組みや木材産地は消費者に見えにくかった。直接、山側から語りかけようとしたんです」
こう語るのは同協議会会長の田岡秀昭さん(58)。木造住宅は完成までには煩雑な工程があり、木材を刻む大工職人の減少もネックだった。それなら、産地側が加工などを担い、造る側に直接届ける。価格が決まった
規格材を使い、消費者に分かりやすくした。
スケルトンは07年の商品化以降、県内に加え大阪などで約80棟が建った。町営住宅9棟に採用され、今夏にはスケルトンのミニタウンができる予定だ。
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「自分の家で使う木材を知りたい」と、多い年で800人が嶺北の森を訪れる。田岡さんが10年以上前から続けている山を案内するツアーの参加者だ。
ある日曜日。これから家を建てるという家族が森を見に来た。その家族は「森の段階からどうやって家ができるか、子どもに見せたい」と田岡さんに理由を語った。ツアーでは、森から切り出され、製材されるまでの流れ
が見られる。「大切に育てた樹齢50、60年の木を使っています。せめてこの年月は家を大事に使ってくださいね」。田岡さんはいつもこう伝えている。
木を切るのは悪。それは誤解だ。使って守るべき森がある。木材が町に出れば、産地の山も元気になる。さらに植えれば次世代に受け継がれ、循環可能な社会になる。「日本は外国の山を荒らしてまで輸入する。なの
に、国内の森は切らずに荒らしている。住まいは森の未来なんです」。田岡さんの持論だ。
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そんな田岡さんの思いを引き継ぐ学生がいる。高知大4年の井上将太さん(22)。06年、田岡さんの製材会社でのインターンシップに参加した。森の荒廃や林業の衰退を知り、思った。「木造建築の良さを伝えたい」
翌夏、合宿形式で学生らが参加するセミナーを企画した。その名も「森の未来に出会う旅」。林業の現場、木造家屋の基礎を学ぶ。セミナーは下級生に引き継がれている。
井上さんは今春、高知大の大学院に進学する。「今は中山間地域をどう盛り上げていくかに目がむき始めた。その一環で林業やスケルトンがあるはず」。年内にも、地域おこしを手がける会社を興すつもりだ。
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