ID : 14974
公開日 : 2010年 2月11日
タイトル
FSC認証から環境認証が抱える問題を考える
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新聞名
INSIGHT NOW!
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元URL.
http://www.insightnow.jp/article/4923
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元urltop:
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写真:
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あなたはFSC認証をご存知ですか?FSCは森林認証制度と呼ばれる環境認証の一つです。今回は、FSC認証を例に、環境認証をめぐる問題について考えます。
FSC(Forest Stewardship
Council、森林管理協議会)は、環境影響や地域社会、先住民の権利などを含む基準に沿って、森林が管理や伐採され、その森林から切り出された木材を使って生産・加工が行なわれたのを認証する国際機関です。こう
した制度は森林認証制度と呼ばれ、森林の適切な管理と、そこから切り出された木材に証明(認証)を発行し、ラベルをつけることで、消費者が環境負荷低減に配慮した木材を選ぶのを支援する制度で、日本では、FSC
の他に、もう一つの国際認証PEFC(Pan European Forest Certification Schemes、汎ヨーロッパ森林認証制度)と、日本独自のSGEC(Sustainable Green Ecosystem
Council、「緑の循環」認証会議)などが普及しています。
FSC認証は、あまたある環境認証の中でも、(1)サプライチェーン管理、(2)実効性、(3)新しい価値提案、(4)認証の乱立といった非常に難しい問題に取り組んでいる認証の一つです。今回は、FSC認証を例に、環境認証を
めぐる問題について考えます。
(1) サプライチェーン管理
環境負荷の低減には、目の前のモノだけで考えるのではなく、その部品や原材料、製品およびその部品、原材料の製造工程、それらの物流など、その源流に遡ってサプライチェーン全体で考える発想が必要です。RoH
sやReachといった物質管理、カーボンフットプリント、フードマイレッジなどが同じ考え方に基づくものです。
また、たとえメーカであっても、製造後の流通、使用時、メンテナンス、廃棄時のライフサイクルでの環境負荷も考える必要があります。
サプライチェーンやライフサイクルでの考え方がないと、確かにリサイクル品だけど、その再生過程で新規品を利用するのに比べ多大なエネルギーを掛けている、地産地消だけれでも、零細農地を保護して作ってい
るために、石油の使用量に換算すると、輸入品よりも余計にエネルギーが使用されているという本末転倒な事になりかねません。
しかし、素材から部品、製品のサプライチェーンをトレースする、製品の流通から廃棄までのすべての利用状況をトレースするというのは多大なコストが掛かるため、環境負荷低減のサプライチェーン管理、ライフサイ
クルアセスメントの取組みは、まだ研究段階のものが少なくありません。
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