ID : 14863
公開日 : 2010年 2月 3日
タイトル
木材価格低迷で苦境の林業 作業機械化に活路/大鰐
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新聞名
陸奥新報
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元URL.
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2010/01/9909.html
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元urltop:
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写真:
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地球温暖化防止対策でCO2(二酸化炭素)排出量の削減が世界的な課題となる中、適正に管理された森林がC02の吸収源になるとして国内で改めて林業が注目されている。しかし、近年は木材価格の低迷が
続き、業界は厳しい状況。古くから良質のスギ材を産出してきた大鰐町では、事業者が連携し作業の機械化を進めながら、新たな林業の在り方を模索している。
父親の跡を継ぎ、大鰐町で林業を営む三浦隆彦さん(45)は「昔は山は財産と言われたが、木材価格が低迷する今、山はむしろ邪魔もの扱いだ」と話す。
県の2009年度版森林資源統計書によると、民有林や国有林などを含めた本県の森林面積は63万5882ヘクタールで、このうち人工林は27万802ヘクタール。三浦さんは「人の手で生まれた森林は、人が手入れしな
ければ荒れてしまう」と指摘する。
手入れとは、主に木々が密生する林に光を入れ、植樹した木や下生えの植物の成長を促す間伐だ。住宅事情の変化などから木材価格は低迷し、費用を掛けて手入れをする森林所有者は少なくなった。
三浦さんは「土砂災害を防ぎ、CO2を吸収し、良質の水資源を保つ森林の維持に手入れが必要」と強調し、「森林所有者の理解を広げたい」と話す。
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09年12月、平川市碇ケ関では、大鰐町林業育成会(大平正善会長)が共同購入した大型機械「プロセッサ」が、スギの伐採現場で使用されていた。
プロセッサは切り倒されたスギを持ち上げると幹に沿って枝を払い、さらにチェーンソーで一定の長さに切りそろえる。大平会長(43)は「人1人が1本分の作業をする間に、プロセッサは6本分できる」と説明する。
同会は国の助成事業を活用し、1000万円を超す大型機械を数台導入、10年ほど前から共同利用している。会を通して助成事業の活用方法を学び単独で機械を購入する会員も出てきた。機械導入には人件費削減や
作業時間の短縮などの利点があるが、採算に見合うより多くの事業を行うにはほかの機材を増やすなど別経費が膨らんでしまう。機械の維持費も決して安くない。
大平会長は「機械化で採算が取れるか正直分からない」としつつも「機械化を進めなければ生き残れないのも事実」と語る。
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かつて「きつい、汚い、危険」の「3K」に挙げられた林業。技術も一朝一夕に習得できるものではなく、担い手不足が課題だ。
作業の機械化で現場の負担は軽減したとはいえ、三浦さんは「チェーンソーで木を切る技術がなければ、機械を使いこなすことはできない」と話す。
林野庁は全国森林組合連合会を実施主体とし、担い手を育成する「緑の雇用対策事業」を推進。県森林組合連合会によると、09年度に本県で研修を受けたのは108人で、大鰐町でも若手が現場で技術を学んでいる
。
大平会長は「林業は楽ではないが、自然の中で働きたがる若者はいる。仕事を通して環境に貢献していることを学び、その重要性を認識するようになる」と話し、若手参入のきっかけの一つに作業の機械化を挙げる。
「現場で大型機械を見て、すごいと目を輝かせる若者は多い。機械の導入で安全性も高まった。そういった意味で今後林業の機械化が役立っていけば」
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