ID : 14772
公開日 : 2010年 1月20日
タイトル
バイオ燃料 足元の資源を生かそう
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新聞名
信濃毎日新聞
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元URL.
http://www.shinshu-liveon.jp/www/special/coupon
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元urltop:
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写真:
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地球の温暖化を防ぐには、石油など化石燃料への依存度を低めていくことが大切だ。バイオマス(生物資源)を燃料とする道を大きく広げていきたい。
長野県内でも、意欲的な取り組みが幾つも見られる。
県テクノ財団アルプスハイランド地域センター(松本市)は、カラマツなどの間伐材から水素を取り出し供給するシステムづくりに乗り出す。水素は家庭や自動車用の燃料電池に使う。
信大繊維学部に拠点を置く、学生の企業・研究を支援する組織「サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」は、松くい虫の被害木からバイオエタノールを精製する研究に取り組んでいる。エタノールは、ガソリンに
混合して燃料として利用できる。
このほか、間伐材などを燃やし蒸気でタービンを回して発電したり、稲わらを使ってバイオ燃料を精製する実証実験をしたりだ。
間伐材を砕いて圧縮した「ペレット」を燃やすストーブが、家庭や学校を中心に増えている。
バイオマスは燃やすと、二酸化炭素(CO2)を出す。それは植物が成長過程で吸収したもので、長期的には大気中のCO2を増加させることはない。温暖化を防ぐと期待される。再生可能なエネルギーの一つだ。
ただし、いいことばかりではない。問題の一つは食料との競合問題だ。トウモロコシや小麦など穀物を使えば、エタノールなどはつくりやすい。米国などが力を入れている。穀物が大量にバイオ燃料用に回され、世界的
な価格高騰が起きた。
食料からではなく、木材や廃棄物からバイオ燃料を生み出す「第2世代」の開発が必要になる。
県内で試みられる間伐材からの水素取り出しなどは、その方向を追い求めるものだ。放置されていることも多い足元の資源を有効に使うメリットも大きい。
軌道に乗せるには、技術開発を進め、コスト低下を実現しなければならない。そのために、国の資金援助が欠かせない。
鳩山政権は、2020年の温室効果ガス排出を1990年に比べ25%削減する目標を掲げている。達成には、思い切った施策が要る。第2世代のバイオ燃料開発もしっかり組み込むべきだ。
新エネルギーの開発・普及は、信州経済にも新たな活性剤となりうる。太陽光発電の導入は全国上位だ。バイオ燃料でも、信州ならではの工夫をして、日本さらには世界をリードしたい。
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