ID : 14687
公開日 : 2010年 1月19日
タイトル
再生プロジェクト:林業家が残した巨木、遺志継ぐ木工品作り
.
新聞名
毎日新聞
.
元URL.
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20100118ddlk10040069000c.html
.
元urltop:
.
写真:
.
作家4人と孫娘ら
沼田市利根町平川の貯木倉庫に、利根沼田地方で伐採された樹齢400~500年に及ぶ広葉樹の巨木約60本が眠っている。地元の林業家(故人)が「開発で切ってしまった立派な木々を、形ある作品として後生に残し
たい」と、売りに出さず保管してきた。その遺志を継ぎ、4人の木工作家と孫娘らが、巨木を木工作品に再生して世に送り出す「ハートツリープロジェクト」をスタートさせた。
巨木を保管してきたのは星野市次さん。木をのこぎりで切り出し、馬で運ぶ時代から苦労したたたき上げの林業家だった。星野林業の社長として事業を拡大し、スキー場も経営するなど、08年5月に81歳で亡くなるま
で、長年にわたり地元経済をけん引した。
木々を愛した市次さんはミズナラ、トチ、カエデなどの巨木は売らず「いつかまた、命を吹き込みたい」と自社倉庫に残してきた。
県内で活動する木工作家の鎌田純男(55)、吉沢良一(46)、平井敦(37)、小美濃厚夫(37)さんらがその存在を知り、星野林業を継いだ次男の正徳さん(44)にプロジェクトを提案、快諾を得た。
巨木を製材すると、『杢(もく)』と呼ばれる装飾性の高い紋様が現れる。鎌田さんや平井さんは「厳しい生育条件で育った巨木にはさまざまな表情の杢があり、制作に携われるのはこの上もない喜び。量も多く、十数年間
にわたって創作可能だ」と話す。
プロジェクトでは、杢を生かしたテーブルや椅子など、世界に一つしかない芸術性の高い作品を作り上げていく。作品を購入する側にも制作過程から参加してもらい、個性の違う木々から何を作るか、話し合いながら決
めていく。
巨木が自然の中でどう生きているかを知るため、尾瀬が雪解けを迎えるころ、鎌田さんらは顧客とともに片品村戸倉の標高千数百メートルの原生林を訪れ、風雪に耐えた木々を観察するツアーを実施することも検討し
ている。
市次さんの孫で、東京芸術大学大学院で先端芸術を学ぶ千吉良麗(ちぎらうらら)さん(23)も作家として加わる。「先代の残した材は、小さな木片まで活用する」という考えで、麗さんは木工とは違う技法で作品作りに取
り組む。正徳さんも「麗が加わることを、父は必ず喜んでくれるはず」と期待している。
木の情報発信基地では、TOPページを平日毎日更新しておりますが、その更新の中に、報道各社のホームページに
掲載されているニュースを毎朝調べ、昨日掲載された情報を集め、リンク形式の1行にその見出しを掲載しています。
2010年現在で毎日平均15本の広い意味での木に関する情報が掲載されています。毎日更新ですから、次の日には消えて
しまいます。これではいかにももったいないので、アーカイプとして分野別に分けて保存しております。このwebページは
「木材、木工、木製品」に関するものを集めています。2006年から開始しましたが、年に2度程度の更新で情報追加いたします。
情報収集の方法はグーグルニュースの検索で調べるというシンプルなものです。