ID : 14564
公開日 : 2009年 12月29日
タイトル
「日米家具木工職人懇談会」開催 ②相互交流のための提
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新聞名
家具新聞社
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元URL.
http://www.kagu-news.com/0912/091225-ahec2.html
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
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アメリカ広葉樹輸出協会
米国大使館の農務官スティーブン・ウィクソム氏(写真 左)
NHFMAの説明をするギャレット・ハック氏(写真 右)
<意見交換会発言要旨>
日米の家具木工市場について
(北村)「(日本の家具業界全体ということで言えば)平成2、3年までの作れば売れた時代を経験した後は、長期低迷が続いている。ピーク時の半分以下。昨年のリーマンショック以降は、さらなる苦境にある。しかしなが
ら、こうした状況下でも元気な国産メーカーも多くあり、実際にはまだら模様というのが実態」
(ギャレット)「(アメリカでも輸入家具が市場を席巻しているが)NHFMAの市場はとてもユニークなものであり、顧客は伝統的・質の高い作品を好んで購入している。アート作品を買うというのに近い。この点で我々の作
品は、安価な輸入品と真っ向から競合するとは考えていない。アートに近い家具という意味で、設計の段階から購入を考えている顧客がほとんど。リーマンショックの影響は確かにあり、昨年のオークションの売上はダ
ウンしたが、今年10月に行われたオークションは、非常に盛況だった。これまで14回のオークションを開催していきたが、去年を除けば順調と言える。われわれが重視しているのは、ユーザーへの教育など啓蒙活動。
作品の持つ高い品質を、きちんと評価してもらうことが重要だと考えている。何世代にも亘って使える価値のあるものを大事にしていく、そういう価値観を育てる必要性がある」
日本側出席者。左より橋本裕(スタジオ・ユタカ)、安藤和夫(創作家具)、
戸山 顕司(戸山家具製作所社長)、長原 實(カンディハウス会長)、北村 斉(日進木工社長)の5氏
(長原)「(自分が代表を務める)カンディハウスはインダストリーとして家具を製造し、200人くらいの社員を雇用している会社。そのためマーケットの中でものを考える必要があり、むしろ販売店との関係が深い。した
がって、17、8年前から始まった中国その他のアセアン諸国からの低コスト、低価格の商品の輸入のために、(国内家具産業は)困難に直面している。AHECにとって中国は大きなマーケットだと思うが、アメリカ広葉樹の
中国への輸入増加は、結果として中国製家具の米国流入を促進し米国内の木製家具メーカーの衰退を意味すると思うが、この点をどう考えるか?」
(ピーター)「確かに中国は、AHECにとって重要なマーケットだと考えている。ただ、ひとつ指摘しなければならないのは、もともと中国へ出向いてパートナーシップを求めたのは米国の家具メーカー自身だったというこ
と。米国の家具メーカーは、自ら中国へ進出していった。ただし、そのメーカー自身ですら15年前に、今日の米国で売られている家具の60%近くが外国製になるとは、予想していなかったと思う。AHECは基本的に自由
貿易の考え方を尊重している。よいビジネスパートナーに対しては、商売を進めていくというのが基本理念」
(長原)「(中国との関係でいえば)大型の家具製造は日本国内ではもはや成立しなくなってきている。その一方で、クラフトマンやマイスターと言われるような小規模な工房が日本には増えている。したがってギャレット
さんがスライドで紹介してくれた作品のような一つひとつ丁寧に製作して、オークションで売っていくというNHFMAのマーケッティングついて、大変感銘を受けた」
一番奥より、ギャレット・ハック、ジェフリー・クーパーの二人の木工職人と
AHEC本部からピーター・キング前会長、AHEC日本事務所辻代表。
木工職人として木に対するこだわりについて
(ジェフリー)「今回私たちは、今後、日本の木工職人や工房関係者との交流を深めていきたいという目的で日本に来た。NHFMAの紹介のなかで気づかれた方もいると思うが、我々の作品には、東洋のスタイル、特に日
本のスタイルからインスピレーションを受けているものも多い。金具やデザインの趣にもその影響が表れている。NHFMAは教育プログラムに力をいれているので、弟子を取ったり生徒へ教えたりということを日米の
間で拡大して、日本からも米国へ来て教育をしてもらうなどの交流を進めたい。マーケティング面においても双方からのアクセスによって、お互いがよりよいメリットを享受することができると思う。芸術の世界からさらに
一般の分野まで市場を拡げることが可能だと考えている。
アメリカ広葉樹は、木目の使い方もクリエイティブで、ブックマッチなど専門的でレベルの高い作品を生み出すことができる。自分の作品では彫刻が重要な要素となるが、その場合、木目をどう扱うかが難しい部分。光と影
を表現するのに、広葉樹は加工もしやすく、エッジの処理もしやすい」
(戸山)「NHFMAのメンバーの家具を見て感じたのは、丸太を製材して、そこから自分たちでセレクトして木目を活かしていることに感心した。日本では、もう製材所が少なくなってアメリカの材料が入る場合は、ランバ
ーの状態でしか入荷しない。木目が選べない。魚を一匹かって、その全てを使うということはできない。切り身でしか選べないわけで、アメリカの状況はうらやましい」
(安藤)「自分の工房では国産材しか使用していないが、日米の作家が文化的な交流をするということで参加させていただいた。来日した二人の作品を見ても、また先日自分の工房を二人が訪れたときの交流から考える
と、日米双方には、ブックマッチなど互いに通じることも多く、優れた木工職人として、木の使い方など日本の木工職人と同じ所にいると感じる」
(橋本)「(国内では)10年前のような良質な北米材が手に入りにくくなっている。経済的な状況も関係あるかもしれないが、プレミアム価格でもいいので良い材を手に入れたい」
アメリカ広葉樹の有効利用について
(北村)「量産メーカーは、できるだけ均一な材料が欲しいために丸太を仕入れて日本で製材をしている。アメリカの製材は、板材オンリーの取り方をしているが、我々は角材も取る。板の特性を見ながら板材と角材に取
り分けていく。今回IFFTのAHECブースへ出品したネストテーブル(ウォルナットの心材と辺材の色違いを意匠に使ったテーブル)は、貴重な材を有効に使おうというもったいない精神からできた製品」
パネリストからは「同じ材料を使って日米で作品を実際に作ってみたい」という意見や、「日本の若い職人がNHFMAで学ぶことができるか」など、デザイン、道具・技術や人的なものまで含んだ相互交流のための提案も
された。また、AHEC事務局からは、会場からの質疑にあった日本で手に入り辛いとされるアメリカ広葉樹のコモングレード材のマーケットの拡大に努めたいとの見解が示された
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