ID : 14332
公開日 : 2009年 12月 9日
タイトル
林業再興にNPOがモデルハウス建設
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000000912090003
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元urltop:
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写真:
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荒れるに任せる山の森を再生するため、林業を再興させよう――。そんな願いを込め、木造住宅をアピールするモデルハウス造りを、神埼市のNPOが進めている。地震の揺れに強い、伝統的な建築技法を採
り入れ、木の家のぬくもりと耐久性をアピールする「広告塔」にするつもりだ。同市の山あいで建築が進む一戸建て住宅は来年3月にお披露目される。(伊豆丸展代、市川雄輝)
家を建てているのは、県内外の山林所有者や製材業者、自然保護に関心がある市民らでつくるNPO法人「森林(もり)をつくろう」。同市脊振町で育った佐藤和歌子理事長(30)らは、木造住宅の良さを理解する消費者
や建築家を増やそうと、学生を対象とした設計コンペを4年前から開いてきた。優秀作品をもとにした住宅は、同NPOの募集に応じた施主により、武雄市と大町町に1軒ずつ完成している。
同NPOはこれらの家をモデル住宅として、これから木の家を建てたい人に紹介してきた。だが、施主が生活している住宅の見学には制約もあるため、別途モデルハウスを建てることにした。
神埼市脊振町の城原川沿いに、木造2階建て延べ約110平方メートルの住宅を設計。県の「地域住宅モデル普及推進事業」にも採択され、補助金1600万円などを元手に着工した。唐津市浜玉町など県内外の杉材やヒ
ノキ材を取り寄せ、ベテランの大工たちが組み立てに当たっている。
採り入れたのは日本の伝統木造構法の一つである「足固め」だ。垂直に立つ柱脚に、足固めと呼ばれる太い梁(はり)を水平に渡すことで、地震の揺れを吸収する。柱の間に斜めに筋交いを渡して揺らさないようにする
戦後主流の構法と違い、揺れを吸収してやり過ごす工夫が凝らされている。使う木材の量は1・5倍に増えるとされるが、寿命は100~200年と長くなるという。
木材の調達は、佐藤理事長の父で木材の伐採・販売業を営む英(ひでる)さん(56)が担当した。プロの目で様々な種類の木材を特性に応じて選び、柱や梁、壁などに充てる「適材適所」の工夫が一目で分かるようにす
るという。
年々、建材価格が落ち込んで、林業を廃業する人が増え、木造住宅の新築が減って大工が自らの技術を持て余している様子を、佐藤さん親子は目の当たりにしてきた。モデルハウスには、こうした現実を打開する願い
を込める。
立地は都市部でなく、山間部の渓谷をあえて選んだ。佐藤理事長は「林業の現場と隣り合う過疎地に来て住宅と出会うことで、林業や過疎の現実にも触れて欲しい」と話している。
伝統木造構法 大工や左官が受け継いできた、日本の伝統的な木造建物の建て方の総称。金具を使わずに柱と横材をジャングルジムのような立体格子に組み合わせ、地震で建物に加わる力をやり過ごす「柔構造」が特
徴。同じ木造でも、ハウスメーカーの大半は、合板や筋交いで壁の耐力を増すことで建物の剛性を高める「在来軸組構法」を採っている
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