ID : 13845
公開日 : 2010年 3月 1日
タイトル
諸塚山開き クヌギ地蔵無事願う
.
新聞名
朝日新聞
.
元URL.
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000001002280002
.
元urltop:
.
写真:
写真が掲載されていました
.
3月7日に諸塚村の諸塚山(1342メートル)である山開きで、県伝統工芸士の甲斐安正さん(69)が村の木・クヌギで作る「櫟(くぬぎ)地蔵ストラップ」(個数限定)が、参加者に配られる。かつては林業を営み、
急斜面でも軽々と登ったが、大けがをして難しくなった甲斐さん。クヌギに「苦抜(く・ぬ)き」の意味を込め、「苦難なく、楽しく登ってほしい」と無事故を願う。(神澤和敬)
甲斐さんは17歳で林業を始め、諸塚山などでクヌギやブナ、ナラの木を切り出した。「機械はなく、鋸(のこぎり)で切り、人力で運び出した」という。20代半ばからはヒノキやネムの木で弁当箱「めんぱ」も作り続け、20
07年に県伝統工芸士に認定された。
櫟地蔵作りを始めたのは5年ほど前のこと。きっかけは事故だった。04年、県内を大型台風が襲った際、瓦補修のために自宅の屋根に上って転落。頭の骨などが折れて3カ月入院する大けがをした。
退院後、リハビリで通っていた病院で、通院中の岡田秀光さん(73)に出会った。岡田さんは、東京・巣鴨の「とげぬき地蔵」に倣い、その4~5年前から村で櫟地蔵作りを続けていた人だった。
岡田さんから「やってみないか」と持ちかけられた甲斐さん。右手にしびれも残り不安はあったが、自分のため、そして、事故で迷惑をかけた家族や仲間に「恩返しできれば」と決意した。
シイタケ栽培用のクヌギの中から、太すぎて栽培には適さない木を譲り受け、一心不乱に櫟地蔵を彫り始めた。岡田さんからは「これだけ出来ればよい」とすぐに技術を認められ、「2代目」として地蔵作りを引き継いだ
。今、岡田さん作の地蔵4体と甲斐さん作の1体の計5体が村の湧水地(ゆう・すい・ち)脇などに置かれ、村を見守っている。
櫟地蔵ストラップは長さ約5センチのクヌギの板に地蔵の焼き印を押した物。「物作りは無理だとあきらめかけたこともあったが、地蔵作りで自分は救われた。皆が下山して来た時の笑顔を思いながら、ストラップを一つ
ずつ作っている」と言う。
第25回記念となる今年の山開きで、甲斐さんのストラップを配ろうと考えたのは、山開き実行委員長を務める黒木重人・村観光協会長(56)だった。諸塚村はシイタケ栽培発祥の地とされ、クヌギはシイタケの原木。「
シイタケ栽培は村の基幹産業で、先祖代々守り続けてきた木がクヌギ。村の象徴を参加者に渡したいと思った」と話す。
◇
第25回諸塚山山開き(諸塚村など主催、朝日新聞社など共催)は3月7日午前9時から、諸塚村飯干緑地広場で受け付け開始。午前10時から開会式典があり、10時半から登山を始める。問い合わせは諸塚村観光協会
(0982・65・0178)へ。
木の情報発信基地では、TOPページを平日毎日更新しておりますが、その更新の中に、報道各社のホームページに
掲載されているニュースを毎朝調べ、昨日掲載された情報を集め、リンク形式の1行にその見出しを掲載しています。
2010年現在で毎日平均15本の広い意味での木に関する情報が掲載されています。毎日更新ですから、次の日には消えて
しまいます。これではいかにももったいないので、アーカイプとして分野別に分けて保存しております。このwebページは
「木材、木工、木製品」に関するものを集めています。2006年から開始しましたが、年に2度程度の更新で情報追加いたします。
情報収集の方法はグーグルニュースの検索で調べるというシンプルなものです。