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ID : 13383
公開日 : 2009年 9月29日
タイトル
快適!住まいのヒント:住宅が「高い」本当の理由とは?
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/today/news/20090929alb00m070080000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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快適!住まいのヒント:住宅が「高い」本当の理由とは? 上/日本の住宅は様々な制約の下で建てられている。建て方や耐震性能などのほかにも斜線制限など法規制も多い。下/日本における住宅建築の代表的工法である木造軸組工法。しかしながらこのほかにも多くの工 法があり、それが日本の住まいづくりの特徴の一つ。
 みなさんは、「どうして住宅は高いのだろう?」とか、「海外ではそんなに高くないんじゃないの?」なんて考えてみたことありませんか。実はその理由を考えてみるのも、賢いハウスメーカー選び、ひいてはよりよい住ま いづくりにチャレンジする上で役立つアプローチなのです。
■日本の住宅価格は、やっぱり高い  日本の住宅価格は、本当に高いのでしょうか。答えは、海外に比べるとやっぱり高いのです。物価の違いもあるので「どれくらい違うの?」という問いに答えるのは難しいのですが、要因は大きく、「土地価格が高いこと」「 住宅の建て方が多種多様であること」「注文住宅が多いこと」「耐震性など性能に対して厳しい条件があること」の4つあると私は考えています。住宅取得について世界的に見て私たち日本人はかなり特殊な状況にあり、 それが「住宅は高い」という感覚につながっていることを知っていただきたいのです。
■多種多様の日本住宅の建て方。生産性は「?」  日本の住宅の建て方には主要なものとして木造、鉄骨造、コンクリート造の3種類があります。木造の中には木造軸組工法(在来工法)やツーバイフォー工法、木質プレハブ工法、ログハウスの建物があり、鉄骨造には 鉄骨プレハブ工法、スチールハウスがあります。
 私たち日本人は、このような多種多様な工法があることについてなんら疑問を持っていませんよね。実は海外ではほぼ1種類(もしくは2種類)の工法で住宅がつくられていることを考えると、かなり異質なのです。
上/1970年代から日本においてもツーバイフォー工法が本格的に普及され始めた(写真は東急ホームズの「ミルクリーク」)。下/アメリカ・アトランタの新興住宅地。全てが分譲住宅として販売されており、このスタイル は全米で行われている(写真提供:住宅産業新聞社)。
 欧米各国の状況は詳しくは知りませんが、最近の新築住宅はツーバイフォー工法で建てられることも多いと聞いています。ほぼ、1種類の工法で建てられるということは、建物に使われる部資材が共通化しやすいという こと。一般的にこのことが住宅を建てる上での生産性を高めることになります。残念ながら、日本では多くの工法があることにより、住宅の生産性ではアメリカなどに対して大分遅れを取っているといえそうです。
 また、アメリカの場合だと、DIY(Do It Yourself)でペンキの塗り替えやちょっとした修繕などは自分たちでやってしまうという住文化があります。テレビや映画のワンシーンとしてよく見かけますよね。こんなことが住宅に係るコストを抑制する要因になってい るとも考えられそうです。
■欧米各国では注文建築はセレブのもの  アメリカや欧米各国では、新築住宅に住む人の割合は実は少なく、既存住宅(中古住宅、最近ではストック住宅ともいいます)の方が需要は高いのです。既存住宅の方が販売量は圧倒的。アメリカで毎年建てられる住宅は 、サブプライムローンの発生以前で戸建てと集合住宅を合わせて150万戸前後。日本は平成19年度で約103万戸(持ち家約31万戸、分譲住宅約28万戸、貸家約43万戸)です。人口はアメリカが3億人、日本が1億2 000万人程度とすると、日本で新築住宅がいかに沢山つくられているのかイメージしていただけるかと思います。
 住宅を注文住宅でつくるスタイルが多いことも、わが国ならではの特色。日本の場合は、新設住宅着工のうち持ち家(戸建て注文住宅)は大体3割を占めます。アメリカの場合は、新築戸建て住宅のほとんどが分譲住宅 。日本の場合でも同様ですが、まとまった戸数を供給できる分譲住宅の方が生産性は当然高くなり、良質な住宅を安く供給しやすくなります。
 一方、注文建築で家を取得するのはハリウッドスターや有名スポーツ選手、大企業重役クラスなど大富豪の特権なのです。その注文建築が日本で一般的に行われていることは、「住宅が高い」ことと決して無縁ではな いように思います。
韓国の庶民の住宅はマンションが主流。注文住宅は夢のまた夢の世界だ。
■韓国も注文住宅はレアケース  注文建築がレアなケースだということは、アメリカだけに限りません。お隣の国・韓国も同様です。私は2年ほど前、大手ハウスメーカーの住友林業系列企業(現地企業との合弁会社)が建てた木造注文戸建て住宅を見に 行ったことがあります。韓国の大都市圏では、庶民の住まいは基本的にマンション。注文住宅はお医者さんとか弁護士、大企業重役など、お客さんは基本的にお金持ちのようでした。日本のように戸建て住宅を建てる会 社は非常に少なく、またデザインなども見劣りしているため、韓国では大きな話題になったということです。地理的に近く文化的に似通った韓国や、最近成長が著しい中国(中国においてもマンションを中心に分譲住宅 の供給が多く行われています)においても、日本と異なった住宅取得の方法が一般的なのです。
 日本の住宅建築に高いコストが求められてしまう最後の理由が、要求される性能や品質の高さ。中でも大地震に耐えられる耐震性能が強く求められることが、最大の理由ではないでしょうか。わが国日本は地震大国。首 都圏直下型地震や東海地震、東南海地震などはいつ発生してもおかしくないと言われています。私は福岡県の出身で、子どもの頃、両親から「福岡には大きな地震はこない」と教えられてきましたが、2005年3月に福岡 県西方沖地震が発生しました。その時の驚きは大きく、「日本列島は地震の蜘蛛の巣で、どこに住んでいてもその危険とは無縁でないんだなあ」と痛感しました。
■高い耐震性能もコストアップの要因  地震に対するわが国の住宅に関する対策は、今や世界的に見てもトップレベル。2008年5月、中国四川省で巨大地震が発生しましたが、当時、現地で「日本住宅の地震対策に学べ」という議論が起こったという報道が あったことは、記憶に新しいと思います。日本人として誇らしい気持ちになるのですが、耐震性能をはじめとした高いレベルの基本性能を求められることが、日本の住宅の価格を押し上げているので複雑な気持ちになっ てしまいます。付け加えると、日本の新築住宅には、今となっては必ず耐震性能などの保証が求められることも重要なポイントです。
 注文建築に慣れた私たち消費者は、性能や品質、デザイン、保証など、常に高い水準の要求を住宅にしてしまいがち。そうした要求は住まいづくりに高いコストを支払う以上当然なことなのですが、同時にその高いコス トの意味がどんなことに由来しているのかを、私たちはよく考えてみる必要があると思います。高いのにはそれなりの理由があるのです。
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