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ID : 13074
公開日 : 2009年 9月 3日
タイトル
縁故資本主義 熱帯雨林食い荒らす
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200909040021a.nwc
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元urltop:
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写真:
 
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ボルネオ島のマレーシア領西部に位置するサラワク州で州政府主導の開発が進んでいる。世界でも残り少ない手つかずの熱帯雨林は、油ヤシ農園に取って代わりつつある。
 油ヤシ栽培を目的とした森林開発は、サラワク州アブドル・タイブ・マハムド首相(73)が主導する経済開発派が推進。これに反対する環境保護派との対立が激しくなっている状況だ。
 28年間続いているタイブ政権は森林伐採の交付権を有し、連邦政府の巨大プロジェクトを支持している。このプロジェクトが進める州最大級の水力発電所建設、油ヤシのプランテーション計画によって熱帯雨林は減 少。遊牧民の生活の場やオランウータン、テングザルなど希少な野生動物の生息場所が失われている。
 マレーシア政府は発電所建設から教育に至るすべての分野にかかわる一連のプロジェクトを通じ、2020年までに先進国の仲間入りをする計画を打ち出している。
 タイブ政権はこれを受けて、20年までに州内総生産を現在の2倍にあたる1500億マレーシアリンギット(約3兆9150億円)に拡大する独自の開発計画を策定。州政府系企業のサラワク・エネルギーは、07年7月の段 階で6つの発電所を建設すると発表した。さらに州政府は、08年末で74万4400ヘクタールだった油ヤシの栽培面積を10年までに100万ヘクタールに広げる考えだ。
 ◆先住民族が訴訟  一方、サラワクの地で昔ながらの生活を営んできた先住民族ダヤク族のグループが複数のプロジェクト中止と、補償の上積みを求めて訴訟を起こした。
 環境を維持するな資産を対象に30億ドル(約2767億円)以上を運用する投資運用会社、アビバ・インベスターズ(ロンドン)のスティーブ・ウェイグッド氏は「望ましくない統治体制がサラワクから海外投資家を遠ざけ 、開発計画が暗礁に乗り上げる可能性がある」と指摘する。さらに、「サラワク州のように汚職のにおいがするだけでも、世界規模の投資グループは資金の投下をためらう。影響力の大きい大手金融機関は、擁護できな い開発への投資を慎重に避けている」とも話す。
 せっけんブランド「ダヴ」やマーガリンブランド「フローラ」などの製品で知られる英日用品大手のユニリーバは、世界総供給量の4%に相当する年15万トンのヤシ油を購入しているが、今年5月に今後の購入は資源開 発を継続的に行うルートに限定すると発表した。同社の持続可能農業部門のディレクター、ジャン・キース・ビス氏は「当社がサラワク州から油ヤシを直接調達することはない。他の地域の農園業者から購入する」と言い 切る。
 米農務省(USDA)によると、世界の食用油の35%はヤシ油が原料で、ヤシ油の90%はマレーシアとインドネシアで生産されている。
 国連食糧農業機関(FAO)の最新調査によると、マレーシアは1990年から2005年にかけて森林の6.6%にあたる149万ヘクタールを失った。これは米コネティカット州とほぼ同等の面積にあたる。
 サラワク州ミリの現地NGO(非政府組織)、ボルネオ資源協会のマーク・ブジャン代表は「ヤシ油は木材に代わる新たな緑の金。30年に及ぶ森林伐採に続いて、新たな環境破壊の要因が登場した」と語る。
 ◆関連会社が受注  タイブ首相はサラワク州政府の財務相と企画資源管理相を兼務している。インフラ整備計画を許可すると同時に、土地開発、森林伐採、ヤシ油プランテーション開発に認可を与える立場にあり、巨大な権力を持って いる。さらに昨年までは州の木材関連企業を育成するサラワク木材産業開発の社長も務めていた。
 サラワクの州都クチンの州議会で1982年から95年まで野党議員を務めたシム・クアン・ヤン氏は「自分たちの利益だけを優先する縁故資本主義の典型だ。住民のことなど一切考慮していない」と批判している。
 タイブ氏の成人した子供たちと亡くなった妻は、同州最大の企業グループ、チャハヤ・マタ・サラワク(CMS)の株式29.3%以上を所有していた。同グループは建築、不動産開発、道路管理、貿易、金融サービスなど 40社以上で構成。2005年以降、州や連邦政府のプロジェクトから総額約13億マレーシアリンギットに上る案件を受注している。
 タイブ首相は本記事へのコメントを拒否しているが、01年1月13日にマレーシアの国営通信社ベルナマのインタビューに対し、CMSが政府関連事業を受注していることには何の関与もしていないと述べている。
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