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ID : 13021
公開日 : 2009年 9月 1日
タイトル
長期的視野に立ったメンテナンスへ 「ノンロット」発売10年の軌跡 三井化学産資
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新聞名
ペイント&コーティングジャーナル
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元URL.
http://www.coatingmedia.com/news/archives/2009/08/post_3282.html
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元urltop:
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写真:
 
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長期的視野に立ったメンテナンスへ 「ノンロット」発売10年の軌跡 三井化学産資 本格的に市場参入して10年を経た三井化学産資の木材保護塗料「ノンロット」。新築着工件数の減少、景気低迷の影響など市場全体では踊り場を迎えているが、依然として伸長を持続している。その鍵を握るのが国内 で数少ない独自技術による積極的な製品開発。木材保護塗料としての基本性能を落とさず、声なきユーザーの評価を拾い上げ、製品に磨きをかけ続けたことで、市場評価を勝ち得てきた。そこには木を長持ちさせる を根底とした仮説と検証の繰り返しの継続がある。
ユーザー評価から特長を見出す 当時、三井石油化学グループのサンテクノケミカル(現・三井化学産資)が、木材保護塗料「ノンロット」を擁し、4年間のテストマーケティングを経て98年に本格発売を開始した。元々「ノンロット」は三井石油化学が30年 前に開発した木材保存剤の名称。その木材保存剤技術をベースに塗料化を実現、名称も引き継ぐ形で木材保護塗料「ノンロット」が誕生した。また当時は化学原料メーカーが末端製品事業に踏み込んだことでも注目を浴 びた。
しかしながら、10年前といえば既に先行メーカーがひしめき合う状況。後発メーカーとして需要を獲得するためには、いかにして先行メーカーにない優位性を発揮するかが鍵であった。
現在に至るまで一貫した開発コンセプトにあるのが、いかに木らしさを維持しながら長持ちさせるか。その中で同社は、木材保護塗料の基本性能である耐候性、防虫、防カビ性に加え、撥水性や木の香りがする、臭 い抜けが早い、テープ付きが良いなど、他社にはない独自機能を打ち出してきた。
しかしながら、「塗布後に被塗材から木の香りがする」「施工後の臭い飛びが早い」という特長は、同社が狙った機能付与ではなく、実際使ったユーザーや販売店から得られた評価。中でも塗布後の被塗材にマスキングテ ープが貼れる「テープ付きが良い」という評価は、施工の段取りに大きく関わる有効な特長として認知が広まり、販売拡大を遂げる上で大きな弾みとなった。
昨年行ったユーザーアンケートにおいてもテープ付きに関して70%以上が評価。「足場が早く取れる」「他の仕事に人工が回せる」「工事の変化に対応できる」「トータルコストが低減できる」といった回答が得られたという 。
同社事業本部部長住宅資材グループの加藤章文氏は「製品開発には、ユーザーが本来評価してきた性能を損なうことがある」と指摘する。メーカーが良かれと思って改善したものが、逆にユーザーにとっては使いにくい ものになることが往々にしてあるからだ。ユーザーが製品に対してどの部分を評価しているか。どうして使い続けているのか。ユーザーの声なき声を拾い出すべく、同社は仮説と検証を繰り返すことで、自社製品の強み を知ることとなった。
改めて、ノンロットの開発の経緯をたどると、 98年 クリヤータイプを追加し、8色で本格発売を開始 99年 10色に追加、超撥水性を訴求 00年 13色に追加、木の香りを訴求、屋内用「ノンロットクリーン」発売 01年 「ノンロット205N」にリニューアル(防蟻機能を付与) 06年 「ノンロットZカラー」にリニューアル(耐紫外線を強化) 08年 「ノンロットZs」にリニューアル(初期臭気を低減、着色力向上) これを見ても市場トレンド、環境ニーズに応じる形で色数の増加、新製品の投入、バージョンアップを繰り返してきたことがわかる。
ただし今後の開発の方向性として加藤氏は「変退色、耐候性、作業性、美観性という基本性能ではなかなか他社品との差別化が図りにくい。そこで、日本の気候風土をしっかり認識した上で、木を長く持たせることを前 提としていかに木らしさを維持できるかが重要」と語る。
  30年スパンでの保全維持を考える そこで次なるステージとして同社が見据えるのは30年スパンでの製品の在り方。そこには単に30年耐久の塗料を作るという発想ではなく、適切な塗り替え時期、経年変化による製品選択を踏まえた上での木造建築物 の保全・木らしさの維持に着目している。
30年間にわたって、木材保護塗料を塗り重ねていくと木造建築物がどうなるのか。木らしさは失われ、しかも通気性不良による劣化の加速の恐れすらあり得る。長期的視野に立ったメンテナンスに関して、現在のところ 具体的な知見やメーカーのアプローチはない。長期優良住宅促進基本法の施行など建築物の長期保全が重要視される中、同社は販売展開、製品開発ともに、この部分での深堀を強めていくとしている。
具体的にはいかにメンテナンス回数を抑えながら、長期にわたって木造建築物を保持させていくか。「あくまでも木材が主役」の観点に立ち、メンテナンス性を考慮し、木らしさを維持するためには適当な時期に塗膜が剥 がれた方が良いという発想も見せる。「化粧品でも若い女性と年輩の女性では使うものが違うように、木造建築物においても年数に応じたメンテナンス時期と材料を組み合わせていくことが必要」とコメント。そのためには 、浸透タイプのみの製品ラインアップから、将来的には独自性のある造膜タイプの投入の可能性もにじませる。
また一方で今後は、「耐候性〇〇年」というような初期性能競争から長期スパンでの開発競争を見据えた優位性を打ち出していく方針。更に塗ったが、塗ったように見えない仕上げという日本独自の意匠感性にどう対 応していくか。単なる塗膜を厚く塗布するだけでは解決しきれないデザインニーズへの対応もポイントに掲げている。
同社としては、これらのアプローチを進めていくためには、設計士、工務店、販売店、塗装業者の協力を不可欠としながら、中でも塗装施工店とのパートナーシップを重要視している。「塗装業者様にも木造建築物を長期 維持するというコンセプトを理解してもらい、メンテナンスの責任を担ってもらうパートナーとして手を組んでいく」と述べる。
同社は今年から杉皮に実際の塗料を施したものをまとめた携帯型色見本帳を発刊、5,000部を配布し好評を得ている。「これも顧客からのヒントを得て実施したもの。顧客から投げかけられているヒントは日常的にたく さんある。これらをやるかどうかが成長の分かれ目になる」と次なる成長に向けて歩みを進めている。
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