ID : 12398
公開日 : 2009年 7月 6日
タイトル
08年の製材・合板用丸太入荷量 東北、国産材8割超
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/07/20090706t72019.htm
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写真:
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製材や合板用として東北6県の加工業者が仕入れた丸太素材のうち、国産材(地場産含む)の割合が2008年は8割を超えたことが5日、農林水産省の木材統計で分かった。国や各県が国産材の利用促進を働き
掛け、安定供給などの利点も見直されているためだ。近年、国産材の価格は安値が続き、地域の林業振興につなげるには価格の引き上げが課題と関係者はみている。
木材統計によると、6県の製材工場や合板工場などに入荷した08年の丸太素材は合算で約541万2000立方メートル。うち国産材は約446万6000立方メートルで82.5%を占めた。入荷総量は景気悪化による住宅
需要の減少などで前年より約89万3000立方メートル(14.2%)減ったが、国産材は23万立方メートル(5.4%)増えた。
ここ5年の入荷量の推移はグラフの通り。国産材は年々増加する一方、輸入材は減少。国産材の割合は04年に50.5%にすぎなかったが、4年間で32.0ポイントも増えた。
県別の入荷量は表の通り。国産材の割合は青森が96.5%と最も高く、岩手86.8%、山形83.1%、秋田81.2%、福島80.3%の順。最も低い宮城でも74.1%に上った。国産材の割合は各県とも増加傾向で、04年
に29.5%だった宮城は44.6ポイント増、秋田も42.1%から39.1ポイント増と急伸している。
宮城、秋田両県の場合、合板工場の存在が数字を押し上げた主な要因だ。「数年前までの外材一辺倒から転換し、地元材の利用を増やしている」と秋田県秋田スギ振興課。石巻市の合板工場は「新しい設備を導入し、
幹の細い国産材だけの合板も作られるようになった」と説明する。
国産志向が強まった背景には外材の供給不安も大きいという。宮城県林業振興課は「ロシアが製材加工後の輸出を図り、北洋材の丸太の輸出関税が上がるといわれており、丸太の調達コストは上がる見通し。東南アジア
などの南洋材は乱伐を防ぐため日本に入ってこなくなっている」と解説。「安定的に確保できる国産材の価値が見直されている」と分析する。
一方、最近の国産材の価格は30年前の約半値で推移し、輸送費のかかる外材より安い。「国内の産地間競争もあり、低価格になっている。価格が上がれば生産意欲も上がる」と同課。国産材のシェア上昇を林業振興に
結び付けるには価格面の改善が必要とみている。
[メモ] 林野庁によると、2007年の木材の国内総需要量は8236万立方メートルで、半分近くは輸入材が大半を占めるパルプ・チップ用材。製材や合板用の丸太素材で国産材の割合が増大しても、国内の木材自給率は
07年で22.6%にとどまっている。
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