ID : 11663
公開日 : 2009年 5月13日
タイトル
「森の人」のすみか:カリマンタン 後絶たぬ違法伐採
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/world/news/20090512dde007030027000c.html
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元urltop:
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写真:
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寄せては返す波のようなセミの声に混じって、チェーンソーの音がかすかに聞こえる。オランウータンやマレーグマがすむインドネシア西カリマンタン州クタパンの森。ぬかるんだ泥炭地に敷かれた、平均台の
ような木道の上を、違法伐採した木材を積んだ自転車が近づいてきた。
「きょうはもう上がりだ。2人で49本も切り出したから」。自転車の後から来た男が上機嫌で話してくれた。切り倒した木をその場で製材し、長さ約4メートルの材木1本につき4000ルピア(約40円)の報酬を「親方」から受
け取る。この日の1人分の稼ぎは1000円弱。「奥まで行かないといい木を見つけるのが難しくなってきた」ため、普段は600円程度という。
伐採地から車が通る道路までは、専門の運搬人が自転車に木材10本を一度に積んで輸送する。片道10キロで手間賃は1回2万ルピア。悪路のため1日2、3往復がせいぜいだ。
違法伐採で悪名高いクタパンでは、昨年3~4月に大規模な摘発が行われ、業者のほか林業省の現地事務所職員や警察署長、刑事課長ら公務員約10人が逮捕された。だが、1年たった今も違法行為は後を絶たない。
独裁を敷いたスハルト元大統領は70年代以降、ジャワ島の人口過密緩和と食糧増産のため、カリマンタンへの移住を大々的に推進した。だが火山灰地のジャワと異なり、大量の水を含む酸性の泥炭地は水田に適さず
、多くが失敗。代わりに、森を手っ取り早く金に換える伐採やアブラヤシ農園の大規模開発が進み、熱帯林の消失を招いた。
森に近い集落のささやかな農地にも、ここ数年異変が起きている。海水が水田や畑の水路に入り込むようになり、塩害による不作が続いているというのだ。森に隣接したスンガイプトリ村のムルサリムさん(42)は「4年
前に防潮堤を築いたがあまり効果がない」と言う。地元研究者は「森林減少で土地の保水力が落ち、陸側の水位が下がったために潮が入ってくるようになった」と指摘する。
農業だけでは収入が確保できなくなった住民は森に入り、違法伐採に手を染める、とムルサリムさんは言う。絵に描いたような悪循環が続いている。
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