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ID : 11206
公開日 : 2009年 9月21日
タイトル
建築目的 いつか解明
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news/20090921-OYT8T00662.htm
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元urltop:
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写真:
 
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国宝「投入堂」の研究を続ける建築士 生田 昭夫さん 61(倉吉市)  三徳山三佛寺(三朝町)の国宝・投入堂の研究を在野で続けて15年。1914年(大正3年)に始まった大修理の仕様書を分析し、鉄材やセメントも使って堅固に補修しようとした当時の工法の一端を解き明かすなど、堂 の由来に迫る成果を挙げている。一方で、収集した膨大な資料に向き合うたび「何のために建てられたのか」という謎は深まるばかりという。堂に寄せる思いなどを聞いた。
 ――研究を始めたきっかけは  三徳山に通じる道路が15年前に改修されましたが、道ばたの地蔵がコンクリートの箱の中に納められたのを目にして、便利になる反面、昔ながらの景観が失われつつあると感じたのがきっかけです。大学を卒業する 直前、恩師に聞かされた「古代の山陰は、我が国の文化の中心地だった」との言葉も脳裏によみがえり、三徳山や投入堂について調べ始めました。
 ――数年前から貴重な報告が相次いでいます。
 2002年に国民文化祭が県で開かれた際、三朝町では「三徳山の歴史と美術」をテーマにした講演会などがあり、多くの識者に話を聞くことが出来ました。その縁で全国各地に残されている文献の収集が進み、1903年 に投入堂を調べた美術評論家・岡倉天心らの調査団が「凡(すべ)て丹塗(にぬり)り」と記していた日記も入手できました。
 投入堂が大正の大修理まで朱に塗られていた可能性を示す資料で、初めて読んだ時は手が震えました。
 ――今月には、大修理の仕様書の分析結果も発表しましたね  投入堂の修理に使った材木の種類や寸法のほか、柱の基礎をセメントで補強していたことなどがわかり、大修理で何が行われたのかがかなり見えてきました。 ――投入堂の何が魅力ですか  断崖(だんがい)絶壁のわずかなくぼみに造られた荘厳な姿はもちろん、それが創建から約1000年もの間、朽ちもせず焼かれもせずに残っていることでしょう。投入堂とほぼ同じ平安後期に建てられた社寺で現存してい るのは、平等院(京都府宇治市)や中尊寺金色堂(岩手県平泉町)などごくわずかしかありません。
 ――今後の目標は  学者のほとんどは「投入堂は寺院」としています。しかし、屋根の形や装飾からは神社とも考えられるし、内陣正面の扉は、他の寺社の宝物殿と同じく内向きに開く構造になっています。やはり何のために建てられたのか の謎を解明したいですね。(聞き手・三浦康男) <トークメモ> 倉吉市出身。県立倉吉東高から東京学芸大に進み、寺社建築への興味などから在学中に専門学校に通って建築を学んだ。帰郷して県住宅公社に13年間勤めた後、倉吉市内に設計事務所を開設。投入堂 研究のほか、同市内の古い町並みの保存活動などにも積極的にかかわっている。「建築の専門家として、古里のまちおこしに微力を尽くしたい」
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