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ID : 11122
公開日 : 2009年 4月 1日
タイトル
不況で受刑者の刑務作業も不足
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新聞名
MSN産経
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090401/trd0904012311031-n1.htm
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写真:
 
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 昨年秋からの世界的な経済不況の影響で、全国の刑務所が地元の民間企業から発注を受けて行っている木材加工や縫製といった受刑者の刑務作業が激減している。発注元の企業が倒産するケースもあり、 堺市堺区の大阪刑務所では新年度から約140人分の作業が不足する事態に陥っている。同刑務所は“ワークシェア”をするなどして対応しているが「このままの経済情勢が続けば、今後ますます注文は減りそうだ」と困 惑している。
 大阪刑務所では、約2700人の受刑者が服役。刑務所内の炊事や清掃といった作業を行う受刑者らを除く約2300人が敷地内の約30区画の工場で週5日、作業にあたっている。
 刑務所では地元企業などから金属・木材加工や縫製などの作業を受注。作業は1日約8時間で、受刑者には報奨金として、職業能力などによって月4000~1万5000円が支給される仕組みになっている。
 刑務作業は刑法で定められた懲役刑で、受刑者に更生や職業訓練を促し、社会復帰させることが目的。発注元の企業からみると設備投資がいらず、労務管理や福利厚生などの経費も必要ないといった利点がある。同 刑務所では昨年秋までは注文待ちの企業が出るほどの状態だったという。
  ところが、経済不況が深刻化するにつれ、地元の中小企業の経営も悪化して発注が激減。減産や解約が相次いだため、4月からは、昨年同期比で約140人分の作業が無くなっている。とりわけ、昨夏の原材料価格の 高騰を受けて増加傾向にあった廃品の分解、仕分けなどのリサイクル業者からの作業が減っているという。中には倒産する企業も出ており、突然、作業が中止されたケースもあったという。
 刑務所では注文を確保しようと、職員らが地元企業をまわる営業活動も行っているというが、思うように受注が増えるきざしはないという。
 大阪刑務所作業部門の小谷佳司首席矯正処遇官は「バブル崩壊後の不況時でも10件の企業を回れば1件ぐらいは受注がとれたものだったが、今は20件回っても難しい。企業からはむしろ仕事を回してほしいといわ れるぐらい」と話す。
 法務省矯正局成人矯正課によると、刑務作業の9割は、民間企業からの注文。景気の影響を直撃して全国の刑務所で作業量が減少しているという。
 同省の担当者は「本来は受刑者の出所後に役立つよう、それぞれに適した仕事を割り当てるのが理想だが、現状は作業の量を確保するだけで精いっぱい」と話している。
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