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ID : 95
公開日 : 2006年 6月28日
タイトル
北海道上ノ国町のブナ天然林で越境伐採
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.janjan.jp/area/0606/0606286869/1.php
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元urltop:
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写真:
 
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昨年の秋、保安林に指定されている渡島(おしま)半島上ノ国町(かみのくにちょう)のブナ天然林で「間伐」が行われ、その時、伐採計画の区域(林班)を超えて伐採していたことが、自然保護団体の調査で判明しまし た。北海道のブナの分布は渡島半島の黒松内低地帯より南に限られ、渡島半島のブナ林は北限のブナ林として学術的にも注目される森林です。
 越境伐採が確認されたのは、林野庁檜山(ひやま)森林管理署の管轄区域である、上ノ国町奥湯ノ岱の国有林です。森林管理署は昨年7月、収穫調査(伐採する木の樹種や胸高直径などの調査)を行って、伐採する木88 3本にナンバーテープをつけました。その後、8月に北海道知事から保安林伐採の同意を得、9月から10月にかけて883本を伐採したとのことです。
 ここでの木材の販売方法は、素材販売と言われるものです。指定された木を伐採し、丸太に切るまでを業者に委託し、その後、別の業者が丸太の径や品質の調査を行って良質の材と低質の材に分けて、競売にかける というやり方です。
 昨年11月に現地調査を行った北海道自然保護協会は、伐採率を超える過剰な伐採の疑いを指摘するとともに、低質な材とされた丸太の山に、良質な材と判断されるものが含まれていることなどを指摘し、林野庁との 合同調査を申し入れました。
 合同調査は今年5月22日に行われ、筆者も参加しました。ブルドーザーでブナ林に縦横に作業道をつけ、高価と思われる大径木が、多数伐採されていました。間伐とは、とても思えない様相であり、伐採率(16%)を 超える伐採が疑われる状況でした。作業道の開削により表土がむき出しになり、林床の生態系も破壊されていました。大雨が降れば土砂がどんどん流出するでしょう。
 その調査の際、北海道自然保護協会が林班を越えた伐採があることを発見し、檜山森林管理署に越境伐採についての報告を求めました。このため、檜山森林管理署は6月12日から調査を行ない、22日、北海道森林 管理局が札幌で記者会見し、越境伐採を認め謝罪しました。
 森林管理局の説明では、計画区域の北側の3.24ヘクタールで232本、東側の0.43ヘクタールで49本、西側に隣接する道有林で13本を伐採し、最大で150メートルもはみ出ていたところがあったとのことです。収 穫調査を行ってナンバーテープをつけた木は883本ですから、伐採した木のナント3分の1が計画区域外、という驚くべき実態が明らかになりました。
 森林管理局はこの越境伐採の原因について、収穫調査を行った檜山森林管理署の職員が境界線を誤認したためと説明しています。具体的には、境界の尾根が平坦でササが茂っていたために境界がわかりにくかったこ と、また国有林と道有林の境界付近にある歩道を境界線と誤認したとのことです。
 収穫調査を行うときは、初めに林班の境界を確認するのが常識ですが、調査を行った職員はそれを怠ったことになります。また、伐採後の10月13日には完了検査を行ったとのことですが、この時にも越境伐採を確認 できなかったということです。
 しかし、越境伐採を発見したのは合同調査に参加した自然保護協会の会員です。ここの林班の境界は明瞭な尾根にあり、素人でも境界が容易にわかります。収穫調査を行った職員が誤るとは考えにくい地形でした。ま た,林班図からも越境した場所の境界線がわかりにくいとは思えません。
 このため、森林伐採問題に取り組んでいる日本環境法律家連盟理事の市川守弘弁護士らは、北海道森林管理局の記者会見の直後に記者会見を開き、賛同者を募って森林法違反容疑などで檜山森林管理署などを刑事 告発する方針を明らかにしました。
 市川弁護士らは、翌23日に北海道森林管理局に出向き、残されている丸太の中には違法に伐採された木が入っている可能性がある、として搬出しないよう申し入れました。ところが、24日と25日に土場の丸太は搬出 されてしまいました。越境伐採の報道があった翌日、土・日曜にも拘わらず搬出したのです。
 数々の疑問、疑惑をはらんだ伐採問題、と言わざるをえません。
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