ID : 10244
公開日 : 2009年 1月19日
タイトル
使い道の提案をもっと 広島の中古建材再利用
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新聞名
中国新聞
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元URL.
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200901190142.html
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元urltop:
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写真:
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家を解体するといえば、重機で丸ごとたたき壊すのが普通のやり方だ。いかにも無残で、もったいない。中古建材として再利用の道を探ろうと、広島市と大学、業界が「市建築資材リユース推進協議会」をスター
トさせた。
学と産に行政が絡んでの取り組みは全国初という。「広島方式」とでもいうべき仕組みが生まれ、全国に広がることを期待する。
これまで築六、七十年を超える古民家の柱や梁(はり)などが再利用されるケースはあった。時を経た味わいが珍重され、古材としてある程度流通している。
しかし戦後の家は見向きもされず、家ごと壊された後は単なる「廃棄物」。建設リサイクル法によって木質ボードやチップに加工されるが、リサイクルできないものは焼却処分されていた。
ただ新しい家でもきちんと解体すれば、中古材として十分使えるはず。以前から研究してきた広島工業大を中心に、循環型社会を目指す市、さらに大工さんら現場の人が集まって知恵を出そう、というのがこの会だ。
試験的に昨年末、段原再開発地区で築二十一年の家を解体した。木材のほぼ半分が中古材として回収でき、骨格部分はまだ新材のようだった。強度も、乾燥によってむしろ上がっていた。
ではどこに使ったらいいのだろう。協議会が挙げているのは、例えば「大壁」で覆う洋間の柱や、床を支える角材の「大引(おおびき)」。見えない場所だから表面に少し傷があっても構わない。
ほかにも増改築に使えようし、加工すれば、壁を耐震補強する際の用材にもなるという。もちろん新材よりは割安だ。
だがこうしたことは一般にはほとんど知られていない。中古材を生かすには、まずアピールし、需要をつくり出すことだろう。
先の中古材の一部はホームセンターに置いて消費者の反応を見るというが、施工例を展示するなど発信の方法はほかにもあろう。中古材を使った耐震建て替えへの補助制度なども周知が必要だ。
一般消費者だけでなくマンション業者やハウスメーカーの理解が得られれば、一定のニーズが見込まれる。
関心が高まっていけば、次には市場や流通の整備である。とりあえずは広い保管場所が要る。何から始め、どう役割分担するかの詰めはまだ先だが、立ち上げには行政の支援が欠かせない。最終的に採算ベースに乗
せるための価格設定も考えなければなるまい。
再利用には、海外の森林伐採を減らし環境を守る効果もあろう。中古材を取るための手作業による解体には、美しく、ほこりも立たず、木組み仕事の技術伝承につながるメリットがある。
コンクリート化のために解体した木造校舎の廃材を、近くの人たちが用材に使う。そんな光景は数十年前には普通だった。解体で発生する廃材は全国で年間四百万トン以上になる。いい意味の「使い回し文化」を広島
から再興したい。
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