ID : 10094
公開日 : 2009年 1月13日
タイトル
JICAが勧める森林農業
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新聞名
サンパウロ新聞
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元URL.
http://www.spshimbun.com.br/content.cfm?DO_N_ID=27248
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元urltop:
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写真:
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パラー州トメアスーで森林農業(アグロ・フォレストリー)を実践している現場を見学する機会を得た。JICA(国際協力機構)の第三国技術移転研修として、同地の日系農場を実地のモデルケースとし、EMBRA
PA(ブラジル農牧研究公社)などの関係者が北伯地域や南米の森林農業実践志望者たちに技術移転を行うプロジェクトだ。一日かけて、熱帯地域の森林農業の現状を取材した。(松本浩治記者)
熱帯果樹や樹木の混植
プロジェクト・リーダーは、EMBRAPAベレン支局研究員のデルマン・デ・アルメイダ・ゴンサルベス氏(四〇)。同プロジェクトは森林農業の技術協力要請に基づき、CIA(混植アマゾン研究機関)とアマゾン各国および
地域のEMBRAPAが情報を提供、TCTP(第三国研修)制度を通じて、JICAが資金協力を行うものだという。
〇六年からの五年計画で、今年で三年目。参加者の話し合いを基に一か月かけてプランを練り、毎年二、三週間にわたって実地研修が開かれている。二〇〇八年は十一月三日から同二十一日まで行われ、記者は昨年
十一月十七日のトメアスーでの日系農場研修に同行させてもらった。
参加者は、アクレ州、ロンドニア州など北伯地域をはじめ、ペルー、コロンビア、エクアドル、ボリビアなど南米近隣諸国在住者ら三十二人。対象者はいずれも、森林農業技術をそれぞれの地域や国に持ち帰り、実践指導
していく立場となる。
森林農業とは、熱帯果樹といった作物の間に材木などの原料になる樹木を混植して生産する方法で、ピメンタ(コショウ)のモノカルチャー(単作)により、病害の辛酸を舐めてきたトメアスーの人々にとっては今や、ほ
とんどがこの方法を実践しているという。一口に「森林農業」と言っても、その形態は生産者によって様々で、奥が深い。
午前七時半、通訳の松崎伸二さん(二八、二世)とともに研修者たちが泊まっているクワトロ・ボッカス(十字路)のメイン・ストリート沿いのホテルに出向くと、現場に行くマイクロバスが二台停車していた。
リーダーのデルマン氏に挨拶し、研修者たちとともにバスに乗り込む。午前八時半頃、クワトロ・ボッカスから約十キロの距離で最初の実習地である高松農場に到着。農場主は、高松ジャイルソン影宏(あきひろ)さん(
三〇、二世)。年齢以上に若く見える青年だが、CAMTA(トメアスー農協)の組合員で、技術主任でもある。
高松さんの父親である寿人(としひと)さん(六四、長崎県出身)は、アマパー州都のマカパーに森林農業の技術専門家として三年のプロジェクトで指導に行っており、この日は不在だった。
高松さんの説明では、七八年から現在の土地に定着。当初はピメンタ栽培が主流だったが、病害の影響により森林農業に行きついたという。
実際に混植を始めたのは九四年から。現在は熱帯果樹アセロラの単作が二十五ヘクタールと、カカオ、クプアスー、バナナなどやパリカと呼ばれるベニヤ板の材料となる樹木の混植の土地が二十五ヘクタールと、計
五十ヘクタールを所有している。
アセロラ、デンデ椰子以外の作物には九八年から除草剤を使用しておらず、一部で有機農法も並行して実践している。しかし、現在のところ正式なセルチフィカード(認可)は受けていないという。
高松さんの案内で研修者一行は、農場内部へと足を踏み入れた。(つづく)
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