ID　：　9902

公開日　：　2008年 12月17日

タイトル

木材の「責任ある購入」をチェックする「WWFジャパン林産物調達チェックリスト

新聞名

ＷＷＦジャパン

元URL.

http://www.wwf.or.jp/activity/forest/news/2008/20081217.htm

元urltop:

写真:

木材業界の記事です

目の前にある木材や紙製品の生産は、どれくらい森林生態系や地域社会に配慮しているのか？　ＷＷＦジャパンはこの配慮の確認度合いを評価するツール「WWFジャパン　林産物調達チェックリスト」を開発し ました。環境、社会、経済影響の確認という観点から、木材関連製品を評価する包括的なツールを環境ＮＧＯが独自開発したのは、日本で初めてのことです。
ＦＳＣは、環境、社会、経済に配慮した木材を認証する、厳しい基準と実績を持ち、国際的にも信頼されたNPOとして認められています。 　　どのような木材を購入すればいいか？ 　森林環境を保全し、木材を持続的に利用していくためには、違法な伐採でないか、その木材が貴重な自然が残る森から伐り出されたものでないか、森を大規模に伐り払うような方法で生産されたものではないかなどを 、消費者自身が確かめ、「責任ある購入」をおこなうことが必要です。
　その最も確実な方法の一つが、ＦＳＣ（森林管理協議会）のような、信頼のおける第三者機関により認証された木材製品を購入することです。
　しかし、森林認証制度で認証された認証製品は、まだ多くはありません。しかも、信頼できる認証を受けていない、世の中の多くの木材製品や紙製品については、それがどのように生産されたものなのか、違法に生産さ れたものかどうかさえ、確認する手立てがありませんでした。
　一部の企業などでは、扱っている木材や紙が、違法伐採により生産されたものではないことを確認する取り組みや、独自の調達方針に基づいた原産地の確認をすでに始めていますが、「どういう木材なら良いのかが分 からない」「違法性や環境への悪影響を、どう確認したらよいか分からない」といった声が多いのも事実です。森林への配慮をチェックする「チェックリスト」 　そこで今回、ＷＷＦジャパンでは、「WWFジャパン林産物調達チェックリスト」を作成しました。これは、企業や組織が扱っている製品について、どの程度「責任ある購入」が実施されているかを確認し、改善に向けた取り 組みを促すものです。
　このチェックリストでは、木材や紙などの林産物がどのように生産されたのか、その履歴をさかのぼって原産地となる森林を把握する「トレーサビリティ」と、その現地の森林で行なわれている「森林管理の適切性」とを 自己評価できます。
　紙や木材を取り扱う企業に、チェックリストの活用を通じて認識を深めてもらいたい点は、大きく以下の三つです。
林産物の原産地となる森林は明らかになっているか 複数の森林からの原料を組み合わせたり混ぜたりしている場合は、全て確かめているか 把握した原産地の森林で行なわれている森林管理が、環境や社会に配慮するため、守るべきルールを守っているか また、そのルールを守っていることをどのように確かめることができるか 森から自社までの流通経路を通じ、１）と２）の情報が伝わり、他の木材と混ざっていないか 　通常、ＦＳＣ認証製品の場合は、この3つの確認は認証機関が消費者に代わり行なってくれます。
　しかし、認証を取得していなかったり、出来ない場合もあるため、ＷＷＦジャパンではＦＳＣなどの基準を参考に、企業などと検討を重ねて作成した、経済・環境・社会面で配慮するべき12の基準を設け、その確認のた めの目安を示しました。
　企業などのユーザーは、この12の基準に沿った「責任ある林産物の調達」を行なうことで、一般の消費者に、環境に配慮した木材を供給するだけでなく、木材を生産する現場の森林管理と保全にも、改善を働きかける ことができます。
　 ＷＷＦジャパンでは今後、このチェックリストの趣旨や使い方などについて紹介するセミナーを開催するほか、ユーザーへのアンケート調査などを実施し、チェックリストの普及を目指してゆきます。

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