ID : 9836
公開日 : 2008年 12月 3日
タイトル
風前の巨木 第2の人生
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000812040005
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元urltop:
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写真:
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トチの大木が寿命を終える前に切り出し、テーブル材などとして活用しようという試みが三島町で始まった。企画したのは、林業不況で人の手が入らず、荒れるばかりの森を再生したいと願う木こりや木材の加工
に携わる人たちだ。産地と消費者を結びつけようと現場を見せる試みをし、6日には、その時に切り出した樹齢350年のトチを製材・販売するイベントを開く。(足立朋子)
10月末、町から昭和村方面へ車と徒歩で1時間ほど入った浅岐地区の山林。町に残る数人の木こりのうちの1人、五十嵐馨さん(54)がチェーンソーを振るう。3人がかりで数カ所から大鋸(おおのこ)や斧(おの)を入
れ、丸2時間、格闘した仕上げの場面だ。直径2メートル、高さ30メートルもあるトチが、轟音(ごうおん)とともに斜面に倒れた。「おおーっ」。見守る約20人から歓声が上がった。
五十嵐さんら有志でつくる「山と木の市場実行委員会」が主催した伐採見学会。集まったのは、国産の木材に興味がある長野や新潟などから来た人たちだ。
三島はキリの出荷で栄え、古くから、地域の人たちの多くは木材加工や炭焼きなどに携わってきた。しかし日本のほかの産地と同様、安い輸入材に押されて林業は廃れ、いつしか森に入る人はいなくなった。
「『自然のまま』といえば聞こえはいいが、日本の森は昔から、人の手が入って守られてきた。今は荒れる一方」と五十嵐さんは言う。
そんななか、仲間とともに森を見回った際、樹齢数百年にもなるトチが何本も残されていることに気づいた。ただ幹がすっぽり隠れるほどツタに覆われ、寿命はいくらもないことを告げていた。放置しておけばやがて倒
れ、周囲の土や木ごとはぎ取ってしまう。
腐らないうちに切り出して、木工製品として「第二の人生」を送ってもらおう――。そう思った五十嵐さんたちは、製材に至る過程まで消費者に見せることで、農業と同じく「産地に思いをはせてもらえる」と考えたという。
「やはり三島の財産は木。一緒に日本の山里を守る仲間になれればうれしい」
大木の切り出しは運搬などに多額の費用がかかるため、製材して採算が合うかが課題だ。しかし20人ほどとはいえ、他地域の人が廃れた深山に足を運び、荘厳な大木の姿を見てくれたことで町は活気づいている。
6日のイベントは同町桧原(ひのはら)の滝谷建設工業製材工場で午前9時~午後3時。机や棚など用途に合わせて製材し、市場より安く販売する。問い合わせは同実行委(0241-52-3200)へ。
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