ID : 9584
公開日 : 2008年 12月 2日
タイトル
琉球松の美を追究使い勝手にもこだわり
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新聞名
沖縄タイムス
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元URL.
http://www.okinawatimes.co.jp/spe/takumi20011004.html?PSID=3db552fb0679bcc4ebfa5be173c3a30a
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元urltop:
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写真:
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かんなを四方にあてがいながら、素地の木目を浮かび上がらせる。やわらかく広がる文様に、薄く塗り重ねられた漆のつやが美しい。
リュウキュウマツの素材にこだわり、漆塗りで仕上げる手作りの机、いす、棚など家具を手掛けている職人がいる。県工芸士で、木工家具職人の宮国昇さん(52)=ウッディ・ライフ、宜野湾市大山。
二十二歳で大工の道に入り、棟りょうまで務めた木の匠。大工時代に見かけた木製の大きな机に魅せられ、家具作りの道に誘われた。
出合った作品の素材はリュウキュウマツ。「男らしく、おおらか。沖縄にもこんなにいい素材があるんだ」と思った。当時のことを「あの風景だけは今でもはっきりと覚えている」としみじみと語る。
大工から家具作りに軸足を移し、約十年。一九九四年、木製品加工技術コンクールで県知事最優秀賞に輝いたのを皮切りに、県内の各種公募展で評価を得始める。
なかでも、九六年の第十四回県工芸公募展で県知事最優秀賞を受賞した座卓は、宮国さんにとって最も満足度の高い作品の一つ。
天板にかんなを当てながら木目の美しさを誘い出し、厚さは八センチから三・八ミリに。通常、四センチ近くある天板は人の目にやぼったく映るが、この作品はおおらかに力強く存在感を主張している。
「技術だけで言うなら、家を造るほうがよっぽど難しい」と宮国さん。デザインや漆の技術には試行錯誤を重ねている。
漆の技法は、生漆を塗ってはふき取る摺(す)り漆。現在は、漆に墨で色付けする試みが研究課題。木が持つ木目の美しさを、いかに引き出すかが勝負だという。
「自分の作品が“木工芸”と言われるが、僕が作っているのはやっぱり家具。使いやすく、買ってお客さんが喜んでくれるのが一番うれしい」と人懐っこい顔で笑う。
「お客さんが、自分の手掛けた家具を親子兄弟で囲み、酒でも酌み交わしてひとときを過ごしてくれればうれしい」。使い手の気持ちをも温める作品作りが、宮国さんの願いだ。(宜野湾)
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「かんなで木目の美しさをいかに引き出せるかが勝負」と話す宮国さん=宜野湾市大山、ウッディ・ライフ
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