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ID : 9570
公開日 : 2008年 11月27日
タイトル
パーム油の原料となるアブラヤシの農園が急速に広がり、熱帯雨林が消滅
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新聞名
日本経済新聞
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元URL.
http://eco.nikkei.co.jp/special/nationalgeographic/article.aspx?id=MMECf1000027112008
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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多様な動植物をはぐくむ東南アジアのボルネオ島。近年、パーム油の原料となるアブラヤシの農園が急速に広がり、熱帯雨林が消滅しつつある。
 熱帯雨林の目覚まし時計は、テナガザルの愛の叫びだ。まだ暗いうちから、メスの気を引こうと、オスたちは木々の高みで競うように声を上げる。いったいどんな甘い言葉で誘っているのか、地上に下りた彼らの親戚( つまり私)には、あれこれ想像することしかできない。
 キャンプから小川伝いに道なき道をたどって森に入った。あたりには、一番下の枝でも地上から高さ30メートルはありそうな巨木がそびえている。うっそうと茂った林冠からわずかに光が差してくる頃、カニクイザルが 姿を見せた。川で魚かカエルにありつこうという魂胆らしい。そのサルが上流に消えてゆくと、今度はチビオマングースが、楽しげに川をはねてきた。
 林がいったん途切れたあたりで、サイチョウのつがいが騒々しい羽音を立てて枝に飛び移り、果実をついばみ始めた。体はほとんど黒く、くちばしにある赤と黄色の大きな突起が光を受けて輝き、薄暗い森に華やかな 彩りを添える。すると、さらに色鮮やかな輝きを放つものが、私の腰の高さでひらひら舞った。世界最大級のチョウ、アカエリトリバネアゲハだ。羽を広げると幅20センチ近くもあり、つややかな黒に朱色と緑が映える。た とえ虫や鳥に興味がなくても、その優雅な姿には目を奪われるに違いない。
 ここはボルネオ島北東端に位置する、マレーシアのサバ州。私は小さなボートに乗って幅の広いキナバタンガン川をしばらく下ったあと、狭い支流に入った。目を上げると、テングザルの群れが枝から枝へと跳び移って いた。垂れ下がった大きな鼻をもつのはオスで、とがった鼻をしたメスたちは、ほとんどが子ザルを抱いている。川辺の木々の間からは、ヒゲイノシシがこちらの様子をうかがっている。
 ボートの前方で、1頭のボルネオゾウが川に入って泳ぎだした。どこに向かっているのかと目で追うと、川辺でつる草を食べている30頭ほどのメスや子ゾウが見えた。
 それはまさしく、ボルネオと聞いて人々が思い描く風景、野生の驚異に満ちた緑の楽園だ。だが、こんな姿はもはや残影にすぎない。島の現実、21世紀初めのボルネオを見たければ、カンムリワシになって上空に舞い 上がり、はるか下のキナバタンガン川を見下ろすといい。多種多様な木々が生い茂る森を追いやるように、アブラヤシだけが何キロにもわたって整然と並んでいる。緑豊かに見えるこのプランテーションが、かけがえ のないボルネオ島の多様な生態系を容赦なく破壊しているのだ。
■ボルネオの“略奪”の歴史  北は南シナ海、南はジャワ海に面し、島の中央を赤道が横切るボルネオ島。天然資源に恵まれたこの島には、遠い昔から世界中の商人たちが集まり、ときには収奪とも言えるほど、豊かな自然の恵みをほしいままにし てきた。
 まず乗り込んできたのは中国人の商人たち。漢方薬の原料となるサイの角と、現地語でガハルと呼ばれる香木、スープの材料になるツバメの巣を目当てにやってきた。その後、コショウと金鉱に目をつけたイスラム 教徒とポルトガル人の商人が加わった。
 英国とオランダの植民地となった19世紀から20世紀初めには、木材会社が熱帯の広葉樹林を伐採し始めた。現在のボルネオ島は、島の南4分の3ほどがインドネシア領で、ブルネイが占める小さな一角を除いて、残り はマレーシア領である。第二次世界大戦後にかつてのオランダ領と英国領が別々に独立したため、このような国境線が引かれることとなった。
 ここ数十年は、欧米やオーストラリアの企業が、豊富な石油と天然ガス、石炭を採掘している。ボルネオ島で一山当てた人々は、アムステルダムからメルボルン、シンガポールからヒューストンまで世界各地に大邸宅を 建てた。“ボルネオ御殿”は、インドネシアの首都ジャカルタとマレーシアの首都クアラルンプールにもある。島の資源を最も貪欲に奪ってきたのは、インドネシアとマレーシア、いや、少なくともこの2国の政財界のエリート たちなのだ。
 ボルネオ島の豊かな自然に魅せられたのは、何も商人や企業だけではない。19世紀英国の生物学者、アルフレッド・ラッセル・ウォレスもその一人だ。1850年代半ばにこの島に滞在し、1000を超す新種の動植物の標本 を採取した。
 2500種以上のランを含め、1万5000種以上もの多様な植物が育つボルネオ島には、“世界一”の称号をもつ動植物も多い。世界最大の花を咲かせるラフレシア・アーノルディをはじめ、世界最大のランや食虫植物が育 ち、世界で一番大きなガが飛び回る。さらに、木から木へと滑空する動物の多様さも世界一で、数種のムササビとモモンガ、ヒヨケザル、トビトカゲ、トビガエルのほか、空飛ぶヘビまでいる。
 哺乳類に目を向けると、マレーグマとボルネオウンピョウが森をうろつき、テナガザル2種とほかのサル8種が木々に登る。島の北東部、主にキナバタンガン川がスールー海に注ぐあたりには、約1000頭のゾウが生き 残っている。スマトラサイはかろうじて絶滅を免れているものの、生息数は40頭前後まで減った。
 こうした多様な生き物たちの中でも、とりわけ人々を引きつけ、ボルネオ島のシンボルとなっているのは、オランウータンだ。そのつぶらな瞳は、世界中の自然保護団体の会報や募金集めのポスターに登場する。この オランウータンやサイから、まだ発見されていない小さな昆虫にいたるまで、島の比類ない生物多様性と、森林が失われていくペースを考えれば、ボルネオの未来を守ることこそ、地球上で最も差し迫った自然保護の 課題だと言ってもいい。
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